この記事は、「Azure スキルのトレーニング」の「Azure 基礎」コース(コース番号:AZURE214x_JPN、提供期間:2017年3月31日~7月31日)を受講してみた(その1)の続きです。
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「Azure スキルのトレーニング」で提供されるトレーニング コースは、Microsoft Azure 上 に構築された Open edX プラットフォーム(openedx. microsoft. com)で提供されており、各コースを受講するためには Microsoft Learning Account という登録アカウントを作成する必要があります。登録アカウントでサインインすることで、新たなコースの受講を開始したり、途中まで受講したコースを再開したり、受講状況を確認できたりします。
「Azure 基礎」コースの構成
「モジュール 1: Microsoft Azure の紹介」「モジュール 2: Azure 仮想マシン」「モジュール 3: Azure ネットワーク」「モジュール 4: Azure ストレージ」「モジュール 5: Azure ID」「モジュール 6: Azure PaaS」の 6 つのモジュールと、最終試験で構成されます。また、各コースの最後には「確認の質問」(最終試験の結果には影響しない)と「実践的な練習(実習)」が用意されています。Microsoft Azure の IaaS、Azure Active Directory(Azure AD)、PaaS という主要な3つのサービスを広くカバーする構成です。
コースの受講には、Webブラウザーだけがあればよいのですが、「実践的な練習(実習)」を行うにはMicrosoft Azureサブスクリプションが必要になります。サブスクリプションが無い場合は、1か月の無料評価版(→ https://azure.microsoft.com/ja-jp/free/)を利用できます。
英語ビデオは日本語字幕付きで一安心
最初に簡単なアンケートに答えると、いよいよトレーニングの始まりです。トレーニングは、ビデオの視聴とテキストによる解説の繰り返しでした。最初のビデオで早口の英語のトークが始まると、“なんだビデオ コンテンツは英語のままなのか”とトレーニングから逃げ出しそうになりました。最初のビデオが終わるころに[CC](Turn on closed capsioning)オプションの存在に気づき、[Japanese]を選択することで、日本語字幕を表示させることができました。これなら、早口の英語についていけなくても、あるいはまったく英語がわからなくても問題ないでしょう。音声をオフにして視聴できるという利点もあります。日本語字幕のデータは、[Download Text (.txt) file]をクリックしてテキストファイルに落とすこともできます。
各モジュールの最後は、「確認の質問」になります。モジュールごとに 10 問前後の質問があり、間違えても 1 回だけはもう一度答えるチャンスがあります。モジュールをちゃんと受講して理解していないと、難しい問題もいくつかありました。
各モジュールを終えると、「実践的な練習(実習)」の時間です。PDF の実習ドキュメント(日本語)に従って、Microsoft Azureのポータルや Azure PowerShell など各自が実習を行うという形式です。実習を行うかどうかは、各自の自由で、スキップしても記録されることはありません。この実習でMicrosoft Azure を実際に操作するために、Microsoft Azure サブスクリプション(または無料試用版)が必要になります。なお、最初の「モジュール 1: Microsoft Azure の紹介」の実習は、「Azure 仮想データセンター ツアーに参加する」という、Web ブラウザーだけで行える気楽なものでした。このツアーでは、Microsoft Azure のデータセンターの中を、マウス操作で歩き回りながら電源設備や空調、配線などを見て回ることができます。
最終試験の結果は... 合格!
6 つのモジュールすべてを終えると、いよいよ「最終試験」です。「Azure 基礎」コースでは、全 30 問の試験でした。翻訳の問題で、日本語の意味がよくわからない問題もありましたが、全 30 問中 25 問(83%)の正解で、最終試験は何とかパスしました。合格ラインは 70% です。
最終試験にパスすると、コース完了のデジタル証明書を発行してもらうことができます。このデジタル証明書は、他のマイクロソフト認定資格とは性格が異なる、いわば名誉証明書です。Linkedin のプロファイルに表示させ、家族や友人、ソーシャル/プロフェッショナルネットワーク内でアピールできるようです。
さて、今回受講した「Azure 基礎」コースは、いくつかの実習をスキップしましたが、3 日間にわたって、トータル 10 時間ほどで完了しました。このコースの受講によって、クラシックとリソースマネージャーの概念と違い、リソースマネージャーの利点、Azure PowerShell や Azure CLI の導入と操作方法、仮想マシンのサイジングのヒント、クラウド化の向き不向きについて、ストレージの種類と課金方法の違いについて、Azure 仮想ネットワークを介した IaaS とオンプレミスをまたぐ Active Directory ドメイン環境の構成のヒント、そして PaaS の基礎などを、幅広く学ぶことができました。
IaaS の説明では、Azure PowerShell が PowerShell ギャラリーから簡単にインストールできるようになっていたことに気づかされました。PaaS の説明では、IaaS、PaaS、SaaS を A 地点から B 地点へ車で移動する方法に例えていたのは非常に分かりやすかったです。IaaS は車を所有、運転、修理、PaaS は運転だけに集中、SaaS はタクシーに乗るだけといった具合。少し気になる点があったとすれば、外部(openedx. microsoft. com の外部)ドキュメントのリンク先が既に存在しないものが何か所かあった点です。このコースは 2017 年 3 月 31 日に提供が始まりましたが、英語版オリジナル コース(Azure Fundamentals、既に提供終了)は2016年8月頃に作成されたもののようで、既に古くなっている情報もありました。しかしながら、Microsoft Azure の基礎を学ぶのに大きな影響はなかったです。
本格的なトレーニングを受講したという印象です。他の仕事をしながら片手間で受講するというのは、無理があるでしょう。1日数時間、集中して受講し、数日間かけてコースを完了するのが良いと思いました。企業なら、社内研修や新人研修の教材としても使えるのではないでしょうか。
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