Windows Server 2012 R2 Preview と System Center 2012 R2 Preview の評価
ガイドと TechNet 記事をちょっとだけ訂正しました。評価ガイドは既にアップ済み、TechNet 記事も更新済みです。
既に評価ガイドをダウンロードされた皆様、再度、ダウンロードしてご確認ください。具体的には、記憶域スペースのライト バック キャッシュと階層化記憶域の部分を訂正しました。
Windows Server 2012 R2 Preview&System Center 2012 R2 Preview 評価ガイド
[URL] http://download.microsoft.com/download/B/F/4/BF474812-BE9E-41CE-9F5F-6C6E2F0B5B22/WSSC12R2PreviewEvalGuide.docx
Windows Server 2012 R2、ココに注目!!
[URL] http://technet.microsoft.com/ja-jp/windowsserver/dn308510.aspx
ライト バック キャッシュ (WriteBack Cache) について、私ちょっと勘違いしていました。
Windows Server 2012 R2 では記憶域スペース (Storage Spaces) でライト バック キャッシュが新たにサポートされます。ストレージにおけるライト バック キャッシュとは、OS には書き込み完了と見せかけておいて、空き時間にせっせと書き込むことで書き込みを早く見せかける機能ですね。通常、RAID コントローラーなんかに備わっている機能です。
この機能は、ファイル サーバーの物理メモリを書き込みキャッシュとして利用するもんだと勝手に思っていましたが、記憶域スペースに作成する仮想ディスクごとに、SSD (Solid State Drive) の領域の一部をライト バック キャッシュとして割り当てることができるというものでした。つまり、ライト バック キャッシュを有効にできるのは、1 台以上の SSD を含むディスクの束で構成された記憶域スペースだけになります。
1 台以上の SSD と 1 台以上の HDD で構成される記憶域スペースでは、仮想ディスクで階層化記憶域 (記憶域階層) を構成できます。階層化記憶域とライト バック キャッシュは別物ですが、階層化記憶域を構成すると、自動的に 1 GB の領域がライト バック キャッシュ用に SSD 上に確保されます。キャッシュは仮想ディスクの WriteCacheSize のプロパティで確認できます。
ここまでは確認していたのですが、実は、階層化記憶域をオンにしない場合でも、SSD を含む記憶域スペースに仮想ディスクを作成すれば、1GB のキャッシュが構成されます。この点を見落としていました。
ライト バック キャッシュのサイズの指定や無効化はウィザードではできません。サイズの指定は、New-VirtualDisk コマンドレットの -WriteCacheSize で指定できるようです。しかし、MediaType SSD のディスクが記憶域スペースに存在しない場合、Not Supported と表示され、受け入れてくれません。SSD が 1 つでもあれば (そして指定したサイズの空きがあれば)、-WriteCacheSize の指定が可能でした。ちなみに、仮想ディスクを作成したあとは、サイズの変更はできないみたいです。
SSD なんか用意できないという人でも、なんちゃってライト バック キャッシュは試せます。Set-PhysicalDisk コマンドレットで、MediaType を SSD に設定すれば、実際には SSD 出は無くても、ライト バック キャッシュも階層化記憶域も構成できます。なんちゃってなので、I/O スループットの向上は無いと思いますが。
階層化記憶域のスクリーンショットのために、安くて小さな SSD (32GB、4000円くらい)を 1 台購入しましたが、SSD が無くても構成できるのを知ってちょっとショックです。機会があれば、仮想ディスクを階層化記憶域では無いものに作り直して、SSD の全領域をキャッシュとして構成してみようかと思います。それなら SSD のサイズが小さくても有効活用できるはず。
階層化記憶域とライト バック キャッシュについては、現状、公式なドキュメントがほとんどありません。以下のフォーラム記事が大変参考になりました。
Storage Pool Media Type Unknown
[URL] http://social.technet.microsoft.com/Forums/windowsserver/en-US/cd9b0db9-72db-436a-874f-028c0cb1dcde/storage-pool-media-type-unknown
その他、評価のヒントとしては...
● 階層化記憶域の最適化処理は、タスク スケジューラで Defrag.exe (/G オプション) を自動実行することで行われているらしい。該当タスクは、Microsoft\Windows\Storage Tiers Management\Storage Tiers Optimization
● 自動再配置の方法とは別に、Set-FileStorageTier や Get-StorageTier コマンドレットを使って、特定のファイルを SSD 層または HDD 層に強制割り当てできるらしい。
Hyper-V の Linux ゲスト対応強化は、早ければこの夏にはお目見えしそう。
返信削除Enabling Linux Support on Windows Server 2012 R2 Hyper-V
http://blogs.technet.com/b/virtualization/archive/2013/07/24/enabling-linux-support-on-windows-server-2012-r2-hyper-v.aspx