2018/06/18

インサイド Windows 第7版の訂正情報(Errata)

『インサイド Windows 第 7 版』(日経 BP 社)の原書である『Windows Internals, Seventh Edition, Part 1』の Errata(訂正表、9780735684188_errata_01162018_.doc)が公開されていました(.doc の作成日は 2018/01/16 の日付ですが、公開されたのは最近だと思います)。

[URL] https://www.microsoftpressstore.com/store/windows-internals-part-1-system-architecture-processes-9780735684188#5ee7e6a0-2896-4293-85db-a976142bac52

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原書の Errata には 22 箇所の訂正がありますが、ほとんどは翻訳作業時に吸収しています。訳書(初版第 1 刷)には以下の 56 箇所に影響します。


原書 P2、訳書 P2 メモ内
誤: ...が可能です(詳細については、本書下巻の「第8章 システムメカニズム」で説明します)。
正: ...が可能です(詳細については、本書の「第3章 プロセスとジョブ」の「3.8 イメージローダー」で説明します)。

原書 P11、訳書 P12 最終行
誤: 各プロセスは、親プロセスまたは作成者(クリエーター)プロセス(必ずしもそうではありませんが、おそらく作成者プロセスです)の情報を持っています。
正: 各プロセスは、親プロセス(必ずしもそうではありませんが、おそらく作成者プロセスです)の情報を持っています。

原書 P18、訳書 P20 2つ目の段落
誤: 揮発性レジスタ、スタック、およびプライベート記憶域は、スレッドコンテキストと呼ばれます。スレッドコンテキストの情報は、Windowsが稼働するマシンアーキテクチャごとに異なるため、その構造は必要に応じてアーキテクチャ固有になります。Windows APIのGetThreadContext関数は、このアーキテクチャ固有の情報(CONTEXTブロックと呼ばれます)へのアクセスを提供します
正: プライベート記憶域だけでなく、揮発性レジスタや不揮発性レジスタもまた、スレッドコンテキストと呼ばれます。スレッドコンテキストの情報は、Windowsが稼働するマシンアーキテクチャごとに異なるため、その構造は必要に応じてアーキテクチャ固有になります。Windows APIのGetThreadContext関数は、このアーキテクチャ固有の情報(CONTEXTブロックと呼ばれます)へのアクセスを提供します。さらに各スレッドは、独自のスタック(スレッドのコンテキストのスタックレジスターによってポイントされます)も持ちます。

原書 P31、訳書 P34 1つ目の段落
誤: オブジェクトとハンドル(オブジェクトのインスタンスに対する参照)については、本書下巻の第8章で詳しく説明します。
正: オブジェクトとハンドル(複数のオブジェクトに対する参照)については、本書下巻の第8章で詳しく説明します。

原書 P54、訳書 P59 2つ目の段落と訳注*4
誤: Windows Server 2016には、Windows Server 2016 Datacenter、Windows Server 2016 Standard、Windows Server 2016 Essentials、Windows Storage Server 2016 Standard、Windows Storage Server Workgroup、Microsoft Hyper-V Server 2016の6つの異なるエディションが存在します。
正: Windows Server 2016には、Windows Server 2016 Datacenter、Windows Server 2016 Standard、Windows Server 2016 Essentials、Windows Server 2016 MultiPoint Premium ServerWindows Storage Server 2016、Microsoft Hyper-V Server 2016の6つの異なるエディションが存在します。

訳注*4 誤:Windows MultiPoint Server Premium相当の機能
訳注*4 正:Windows Server 2016 MultiPoint Premium Server相当の機能

原書 P734、訳書 P824 最後の段落
誤: 3番目の位置は、UAC昇格プロンプトがセキュリティで保護されたデスクトップではなく、ユーザーの通常のデスクトップに表示されるため、推奨されません。これは、同じセッション内で実行される悪意のあるプログラムに、昇格プロンプトの外観の変更を許してしまう可能性があります。この設定は、ビデオサブシステムがデスクトップを暗転するのに時間がかかってしまうようなシステム、あるいは通常のUACの表示が適さないシステムでのみ使用することを想定しています。
正: 3番目の位置は、UAC昇格プロンプトがセキュリティで保護されたデスクトップではなく、ユーザーの通常のデスクトップに表示されるため、推奨されません。Windows 8より前のバージョンのWindowsでは、この位置は、同じセッション内で実行される悪意のあるプログラムに、昇格プロンプトの外観の変更を許してしまう可能性があります。Windows 8以降では、アプリコンテナー(AppContainer)モデルのために、UACは完全にオフにすることはできなくなりました。管理者ユーザーにはUAC昇格プロンプトは表示されませんが、マニフェストで指定されているか、管理者として実行するように開始されない限り、プロセスが昇格されることはありません。

(この件に関して補足:Windows 8 からは新たに導入された AppContainer モデルとの関係で、UAC のスライダーを最下位にもってきても、つまり無効化したように見えても、UAC が完全にオフになることはなくなりました。また、Windows 10 バージョン 1703 からはさらに挙動が変わっています。詳しくは、@IT のこちらの記事をご覧ください。)

Errata の以下の部分は初版第 1 刷には影響しません。

原書 P1、訳書 P1 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P19、訳書 P20 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P26、訳書 P28 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P54、訳書 P59 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P73、訳書 P81 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P81、訳書 P90 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P115、訳書 P126 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P116 訳書 P127 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P123 訳書 P135 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P167、訳書 P182-183 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P167、訳書 P182 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P216、訳書 P235 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P221、訳書 P240 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P424、訳書 P470 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P509、訳書 P567 影響なし(翻訳時に実機の結果に合わせているため)
原書 P551、訳書 P617 影響なし(翻訳時に訂正済み)
原書 P600、訳書 P673 影響なし(翻訳時に訂正済み)

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