2009/11/28

Hyper-V 仮想マシンに Hyper-V の役割をインストールする - SCVMM の場合

System Center Virtual Machine Manager 2008 および 2008 R2 の VMM サーバーは、仮想マシンで構築できます。VMM サーバーを仮想マシンで構築した場合、1 つの制約があります。新規作成した仮想マシンをローカルのライブラリに直接保存する機能が利用できません。新規作成した仮想マシンをライブラリに直接保存するには、ライブラリ サーバーが Hyper-V などの仮想化ホストである必要があるからです。











この制約は、さほど大きな問題ではありません。リモートの仮想化ホストをライブラリ サーバーとして構成することもできますし、管理下にある仮想化ホストに仮想マシンをいったん配置して、それをローカルのライブラリに移動するという方法もあるからです。

前回の投稿で、Hyper-V の仮想マシンに Hyper-V の役割を無理やりインストールする方法を紹介しました。この方法で、仮想マシンの VMM サーバーのライブラリに新規作成の仮想マシンを直接保存できるかどうか試してみました。残念ながら結果は NG でした。



















ちゃんと機能する仮想化ホストじゃないとだめなようです。

2009/11/27

Hyper-V 仮想マシンに Hyper-V の役割をインストールする

Windows Server 2008 R2 の Hyper-V でいろいろと評価している方に、ちょっとした Tips を...

2009/11/21

クラスターの破壊をし忘れた !! OS 再インストール !? でもその前に...

Windows Server 2008 R2 機能評価ガイド[仮想化編] Hyper-V 2.0 ライブ マイグレーション ( XPS PDF ) をダウンロードして、実際に評価された方はいますでしょうか。

ライブ マイグレーションのためには、複数の Hyper-V ホストでフェールオーバー クラスターを構成する必要があります。評価を終えた際に、フェールオーバー クラスターを適切な方法で削除する必要があることに注意してください。フェールオーバー クラスターを削除するには、[クラスターの破壊]という手続きが必要です (下の画面は R2 Beta 版のものです) 。



[クラスターの破壊]を実行せずに、クォーラム ディスクを削除してしまったり、クラスターからすべてのノードを削除してしまったりすると、にっちもさっちもいかない状態に陥ることがあります。クラスターが障害と判断して、クラスターに復帰しようと無限ループに入るためです。2 台でクラスターを組む場合、通常、ノードおよびディスク マジョリティで構成されます。このモードでは、共有ディスク上のクォーラム ディスクが生きている場合は、ノードの半分(つまり 1 台)の障害に耐えることができ、クォーラム ディスクが死んでいる場合は、ノードの半分(切り上げ)より 1 つ少ないノード (つまり 2 台構成では障害に耐えられない) の障害に耐えることができます。たとえば、クォーラム ディスクを削除してしまうと、各ノードのクラスター サービスは自身が障害ノードだと思ってしまうのです。

こうなってしまうと、[機能の削除ウィザード]で、フェールオーバー クラスタリングの機能を削除することもできなくなってしまいます。




















最終的な手段として、OS の再インストールを考えるかもしれません。その前に、次のコマンドラインを試してみてください。フェールオーバー クラスタリングの機能を削除できるかもしれません。

DISM /Online /Disable-Feature /FeatureName:FailoverCluster-FullServer

2009/11/18

Core Parkingoooooo !?

Windows Server World 2009年12月号(最終号)の特集「徹底検証 Hyper-V-2.0」が COMPUTERWORLD のサイトで公開されています。この記事の 検証ポイント(3) 消費電力はどの程度抑えられるのか?  ですが、徹底検証とうたいながら、時間的、設備的な理由 (言い訳です) で消費電力が実際のところ、どの程度抑えられるかまでは踏み込んでいません。

Windows Server 2008 R2 には、コア パーキング (Core Parking, コア保留) をはじめとする消費電力抑制機能が装備されています。マイクロソフトによると、同じプロセッサを使用した場合、Windows Server 2003 R2 (SP2) と Windows Server 2008 R2 で比較すると、約 20% の消費電力を抑えることができるそうです。では、Windows Server 2008 と比べた場合はどうなのでしょうか。

2009/11/16

Windows Virtual PC と Virtual PC 2007 SP1 のゲスト コンポーネントの互換性

Windows Virtual PC は、Microsoft Virtual PC 2007 SP1 の後継となるデスクトップ向け仮想化テクノロジです。Windows Virtual PC というと Windows XP Mode が注目されますが、仮想 USB デバイスのサポート追加や、クリップ ボード共有、プリンターのリダイレクトなど、通常の仮想マシン実行環境としても機能強化が行われています。機能強化はうれしい限りですが、Microsoft Virtual PC 2007 SP1 のような汎用性がなくなってしまいました。例えば、Windows Virtual PC は Intel VT または AMD-V または VIA VT を搭載したプロセッサがなければ動きません。Windows Virtual PC の仮想マシンには、仮想フロッピー ディスクがありません。サポートされるゲスト OS は、Windows XP、Windows Vista および Windows 7 の以下のバージョン(いずれもx86)に限られます。
  • Windows XP Professional SP3
  • Windows Vista Business SP1 (or later)
  • Windows Vista Enterprise SP1 (or later)
  • Windows Vista Ultimate SP1 (or later)
  • Windows 7 Professional
  • Windows 7 Enterprise
  • Windows 7 Ultimate
サポート対象のゲスト OS には、ゲスト コンポーネント(統合コンポーネント)が提供されます。ゲスト コンポーネントをインストールすることで、マウス統合や時刻同期、USB デバイスのサポート、最適化されたビデオ ドライバー、シャットダウン連携などが利用できるようになるとともに、Windows XP Mode と同様の仮想アプリケーション モードが利用可能になります(Windows Vista Business および Windows 7 Professional では仮想アプリケーション モードを利用できません)。

サポート対象のゲスト OS が動かないというわけではありませんが、ゲスト コンポーネントが利用できない仮想マシンは実用的ではありません。これは、どんな仮想化テクノロジ(VMware や VirtualBox、Xen Server など)でも言えることです。少なくても時刻同期が利用できないと、さまざまな問題が出てきます。特に、Windows と時間の管理が異なる Linux の場合、時間がとてつもなく進んでしまったり、逆にどんどん遅れていくといったことになります。誤差は、ntp などで訂正するのも困難なほどにです。

2009/11/13

テキスト ベースのイベント ビューアー

(今は亡き)Windows Server World 20098年12月号(IDGジャパン)で、特集「“寄せ集め”スクリプト作成術」を書きました。この記事の中で Windows Server 2008 Server Core での利用を想定した、コマンドプロンプト内で使える「イベント ビューアー(CUI)」(eventvcui.vbs)を紹介しました。記事では、Windows Server 2008 および Windows Vista で動く eventvcui.vbs と、Windows Server 2003 および Windows XP で動く eventvcui_2003.vbs の 2 種類用意しました。この 2 つの違いについては、後で説明します。

2009/11/12

XP/Vista 向け RDP 7.0 と VDI

マイクロソフトの Windows Server 2008 R2 ホーム から次の2つの機能評価ガイドがダウンロードできます。

Windows Server 2008 R2 機能評価ガイド[仮想化編]


・ Hyper-V 2.0 ライブマイグレーション [XPS][PDF
・ 仮想デスクトップ インフラストラクチャ(VDI)[XPS][PDF




この機能評価ガイド、好評なようで、Beta 版、RC 版、そして RTM 版と内容がアップデートされています。RTM 版が公開された2009年10月2日以前のものは Beta 版もしくは RC 版なのでご注意ください。

VDI の評価環境構築手順で、RDP 6.1 以前を実行する Windows XP や Windows Vista クライアントから仮想デスクトップ プールに接続しようとすると、次のようなエラーが表示されることを説明しています。











この接続問題を回避するには、[リモート デスクトップ接続マネージャー]の[仮想デスクトップの構成...]ウィザードまたは[RD 仮想化ホスト サーバー]のプロパティで [旧 RDC バージョンのリダイレクトを有効にする]をチェックして、[代替サーバー名]を指定します。そして、DNS サーバーに、代替サーバー名と RD セッション ホスト(リダイレクト モード)の IP アドレスを対応付けた A レコード(または CNAME レコード)を登録します。






















実は、もう1つの回避方法があります。2009年10月26日にリリースされた、Windows XP および Windows Vista 向けの RDP 7.0 クライアントにアップデートする方法です。

KB969084
Description of the Remote Desktop Connection 7.0 client update for Remote Desktop Services (RDS) for Windows XP SP3, Windows Vista SP1, and Windows Vista SP2

 RDP 7.0 クライアントにアップデートすることで、Windows Media のリダイレクトや双方向オーディオ、マルチモニターなどのエクスペリエンス機能が強化されます。VDI の環境においては、RDP 7.0 クライアントになるので、RDP 6.1 以前の接続問題が影響しなくなります。

2009/11/11

AD RMS/IRM でいろいろできるようになってきた

AD RMS Bulk Protection Tool と FCI

2009年10月29日に AD RMS Bulk Protection Tool が公開されています。このツールは、Active Directory Rights Management サービスと IRM (Information Rights Management)テクノロジを使用した文書保護を、コマンドラインからバッチ実行できるようにするものです。AD RMS と IRMについて詳しくは、マイクロソフトのこちらの AD RMS 解説サイトを見てください。また、FCI の解説のページで利用シナリオの1つとして、FCI と AD RMS を連携させたファイルの自動暗号化について説明し、「AD RMS 暗号化ツールは、近日中に提供される予定です」と書きました。このツールが、AD RMS Bulk Protection Tool です。

FCI と iFilter

(2009/12/16 DocuWorks の記述を修正。Windows Search は DocuWorks に対応できますが、FCI では検索できませんでした)

「Windows Server 2008 R2テクノロジ入門」の第 13 章で FCI(File Classification Infrastructure) について説明しています。FCI を使うと、ファイル サーバー上のファイルを、文字列や .NET 正規表現を使ってファイルの内容で分類し、カスタム プロパティを設定できます。たとえば、“社外秘" という文字を含むファイルに対して、「社外秘:はい」というプロパティを設定できます。これが FCI の[分類管理]という機能です。また、このカスタム プロパティを条件に、アーカイブやカスタム タスクをスケジュール実行できます。これが、FCI の[ファイル管理タスク]機能です。

本書では、単に iFilter を使用したテキスト抽出が可能と書いていますが、既定では、プレーン テキスト、HTML ファイル、XML ファイル、Office バイナリ (.doc、.xls、.ppt など)、リッチ テキスト、Wordpad ドキュメントを識別できます。Windows Server 2008 R2 の新機能である [Windows TIFF iFilter] をインストールすると、TIFF イメージに対して OCR (光学式文字認識) を実行し、イメージに含まれる文字列を認識できます。さらに、Microsoft フィルタ パックAdobe PDF iFilterDocuWorks Content Filter を追加インストールすることで、Office Open XML 形式 (.docx、.xlsx、.pptx など)、Adobe PDF (.pdf)、DocuWorks 文書 (.xdw、.xbd) のサポートを追加できます。一太郎 iFilter は、32 ビット版しかないので、64 ビットの R2 ではうまく動かないようです。DocuWorks 文書 (.xdw、.xbd) は、Windows Search は対応していますが、FCI からは利用できないようです。

FCI については、本書より後に書いた、マイクロソフトのこちらのサイトをうほうがわかりやすいかもしれません。ただし、こちらのサイトのサード パーティ製 iFilter のリンク先(以前は SharePoint の iFilter サイトでした)が変わってしまったようです。PDF と DocuWorks の iFilter はこのページのリンクから入手できます。

「Windows Server 2008 R2テクノロジ入門」が出ました

2009年11月9日に、マイクロソフト公式解説書 「Windows Server 2008 R2テクノロジ入門」(日経BPソフトプレス税込4,935円)が発売されました。ちょっと高いですが...