2014/02/26

Office 2013 SP1 を適用できないと悩んでいる方へ

Office 2013 Service Pack(SP) 1 が公開されました。

多くの人が、Windows Update/Microsoft Update で配信されない、直接、ダウンロードしてインストールしようとしても「影響を受ける製品はありません」と表示されるといったことに悩んでいるかもしれません。

安心してください。どちらも正常です。だって、影響を受ける製品 (Office Professional Plus 2013 or Office Standard 2013) が無いんですから...


ほとんどのユーザーはこちらのはず

Office 365 ProPlus (Office 365 の一部)、Office Personal 2013、Office Professional 2013、Office Home and Business 2013、 単体製品の Word 2013、Excel 2013、PowerPoint 2013、Access 2013 を利用している場合は、Office 2013 SP1 のインストールは必要ありません。クイック実行 (Click-to-Run:C2R) という、Office の新しい提供形態では、Office の更新に Windows Update/Microsoft Update は使われません。インターネット接続があれば、バックグラウンドで自動的に更新されます。Office 2013 のプレインストール PC (Windows RT デバイスは除く) の場合もクイック実行方式のはずです (MS)。

セキュリティ パッチや修正プログラムも同じ方式なので、これらの製品を使っている方の PC には、毎月の Windows Update に Office 2013 の更新プログラムが配信されたことは無いはずです。


Office 2013 SP1 の自動更新を待てない、SP1 かどうかをすぐに確認したい... と言う場合は、Office 2013 の何かのプログラム (Word 2013 とか) で[ファイル]→[アカウント]を開き、[?バージョン情報]ボタンをクリックしてみてください。バージョン番号が 15.0.4569.xxxx 以降であれは、Office 2013 SP1 またはそれより新しいバージョンに更新済みです。バージョン情報に Service Pack 1 や SP1 の文字はありません。[更新オプション]ボタンを使用すれば、最新の更新をチェックしたり、検出された更新の適用を開始したりできます (更新されない場合はいったん無効にして、再有効化してみて)。

なお、これから新規に Office 2013 をインストールするという場合は、最初から Office 2013 SP1 (以降) になります。逆に言うと、クイック実行 (C2R) 形式の場合、SP1 以前は新規インストールできません (後述する社内クイック実行展開や App-V 展開の古いイメージが無い限り)。

2/28追記)
次の場所にクイック実行版の Office 2013 の更新情報に関するページがあります。上のスクリーンショットの "Office 更新プログラム" の下に表示されるバージョン番号 15.0.4569.1507 が Office 2013 SP1 適用済みであることを示しています。個々のアプリケーションのバージョンは、Word 2013 (15.0.4569.1504) MSO (15.0.4569.1506) のように .1507 よりも小さな番号になります。

Microsoft Office 2013 クイック実行
[URL] http://support.microsoft.com/gp/office-2013-click-to-run

従来方式の Office 展開をしている企業ならこちら (非主流派)

ボリューム ライセンス製品である Office Professional Plus 2013 や Office Standard 2013 は、クイック実行 (C2R 形式) ではなく、Office 2010 以前と同様に Windows インストーラーでインストールする製品 (MSI 形式)です。これらの Office がインストールされている場合は、Windows Update で Office 2013 が配信されます。こちらのページ (http://support.microsoft.com/kb/2850036) のリンクから「Microsoft Office 2013 (KB2817430) 32 ビット版 Service Pack 1」または「Microsoft Office 2013 (KB2817430) 64 ビット版 Service Pack 1」をダウンロードしてインストールすることもできます。

MSDN サブスクリプション会員の方は、このタイプの人が多いかもしれません。 MSDN サブスクリプションで提供されるソフトウェアは、設計、開発、テスト、デモの用途に限定されますが、Office だけは例外で、1 つのデバイスで Office を業務利用できるようです (MS)。ただし、Visual Studio Premium with MSDN または Visual Studio Ultimate with MSDN (MS)の会員に限られますが。

Office Professional Plus 2013 や Office Standard 2013 は企業向けの製品であり、一般の消費者向けには販売されていません。ただし、ボリュームライセンスのソフトウェア アシュアランス特典に含まれる自宅使用プログラム (http://www.microsofthup.com/hupjp/home.aspx)を購入して利用している場合は、個人ユーザーでも MSI 形式 Office Professional Plus 2013 や Office Standard 2013 がインストールされているかもしれません。その場合は、Windows Update で更新できるはずです。

ちなみに、Office 2013 SP1 が適用された Office Professional Plus 2013 の Word のバージョン情報はこんな感じ。SP1 の記述が無いので、分かり難いっす。


企業内でクイック実行展開や App-V 展開をしている場合 (さらに非主流派)

Office 365 ProPlus は、企業内の配布ポイントから Office をクイック実行展開、または Microsoft Application Virtualization (App-V) で展開できます。Office Professional Plus 2013、Office Standard 2013 も App-V による展開が可能です。その場合は、IT 部門の担当者が配布ポイントのコンテンツや App-V パッケージを Office 2013 SP1 以降の最新版に入れ替えることで、展開先の Office 2013 を Office 2013 SP1 に更新できます (と思います) 。IT 部門さんが何もしてくれないと、いつまでたっても Office 2013 SP1 にはなりまへん。

Office Deployment Tool for Click-to-Run
[URL]  http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=36778

追記) Office 2013 SP1 の App-V パッケージを作るには、2/25/2014 に公開されたもの、あるいはより新しいバージョンの Office Deployment Tool を使わないとだめみたいです。

Office オンデマンドを利用している場合 (さらに、さらに非主流派?)

Office 365 ProPlus ユーザーの場合は Office オンデマンドという利用方法もあります。Office オンデマンドは自分のではない PCに、一時的に Office をインストール (キャッシュに近い) して利用できるようにするもの。Office 365 の SkyDrive (今日時点では、まだ OneDrive になってませんでした) から利用できます。Office オンデマンドも C2R と同じ方法 (ただし %USERPROFILE% を使用)なので、常に最新版が降ってきます。Office 2013 SP1への対応は何も必要ありまへん。



Office 2013 RT を利用している場合

持ってないのであれですが、Windows RT に付属する Office 2013 RT の場合は、Windows Update で「Microsoft Office 2013 (KB2850036) RT Service Pack 1」が配信されているようです。Office 2013 RT は C2R でも、MSI でもないので、Windows Update が唯一の更新方法なのかな?

・・・

新しい Office  (Office 2013) の変更点について理解していない人が書いたニュース記事や、(Office 2013 では主流ではなくなった) MSI 形式を利用している人が書いた記事は、Windows Update を経由しないで Office が自動更新されることに触れられていない場合があります。例えば、この記事とか、この記事とか、この記事とか、この記事とか... どの記事も発表資料 (MS) をざっと訳したんだと思いますが、日本だけは製品体系がちょっと独特なんですよね。その点が抜けてますです (Office 365 サブスクリプションだけが C2R じゃない)。これらの記事で、無駄なダウンロード トラフィックが増えてしまいそう。皆さん、惑わされないように、ご注意ください。

ほとんどの Office 2013 の個人ユーザーにはわかるはずもないこと。丁寧な記事 (ほとんどの人は何もしなくてよいこと) をお願いしたいっす。

関連する投稿:
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2 件のコメント:

  1. Office 2013 Professional Plus 2013と Office 2013 Standard 2013を、Office Professional Plus 2013と Office Standard 2013に訂正しました。

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  2. SP1という表示が一般的にはありえないということ、初めて知りました。
    同梱版(=1ライセンス+Office365)のOffice2013 professional Premium導入の新規Windows8.1パソコンでいくらたっても、例えばExcelのバージョン表示がSP1とならないことに疑念を持ってましたがよく理解できました。

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