2011/08/16

App-V の Q: があると、Hyper-V でライブ バックアップできないらしい、オンライン P2V も

つい先日、Hyper-V のオンラインバックアップの機能を検証しようと、VDI の仮想デスクトップ用の仮想マシンをバックアップしたところ、一部の仮想マシンにおいて、ボリューム シャドウ コピー作成のために仮想マシンが「保存」され、オンライン バックアップができないことが判明。オンラインバックアップができないのは、App-V Desktop Client や App-V for RDS が入っている仮想マシンということまですぐに判明しました。

ネットで検索すると、すぐに以下のブログ ポストを発見。App-V クライアント (App-V Desktop Client または App-V for RDS) の Q ドライブがあると、Hyper-V ホストから App-V クライアントが入った仮想マシンの VSS オンライン バックアップが出来ないという問題があり、修正プログラム KB 2432513 も出ていました。ですが...

TechNet Blogs > Microsoft Reduce Customer Effort Center > VSS Backup does not work when App-V is installed and drive Q is created (2010/11/03)
http://blogs.technet.com/b/asiasupp/archive/2010/11/03/vss-backup-does-not-work-when-app-v-is-installed-and-drive-q-is-created.aspx


Hotfix Package 4 for Microsoft Application Virtualization 4.6 RTM: October 2010
http://support.microsoft.com/kb/2432513/en-us


ゲスト OS のイベント ログを確認すると、確かに VSS からのイベント 12293、8193、12348 が記録されていて、問題の Volume GUID を調べていくと Q ドライブだとわかります。

vssadmin list shadowstorage もエラーを出します。

Hyper-V のオンライン バックアップは、ゲスト OS の VSS ライターでスナップショットをとってから、ホスト側の Hyper-V VSS ライタでボリューム シャドウ コピーを作成して、VHD をバックアップするようになっています。そのため、ゲスト OS で VSS バックアップが出来ない問題は、Hyper-V のライブ バックアップにも影響するということのようですこのエラーに関わらず、ゲスト OS 側のバックアップ ツールでは VSS バックアップが可能です。


試しに、App-V クライアントをアンインストールしてみると、期待どおりにオンライン バックアップができるようになります。

ちょっと待ってください。問題が発生している仮想マシンには、App-V 4.6 SP1 が入っています。App-V 4.6 SP1の説明によると、「2432513 Hotfix Package 4 for Microsoft Application Virtualization 4.6 RTM: October 2010 」は含まれていると書いてあります。

Description of Microsoft Application Virtualization 4.6 Service Pack 1
http://support.microsoft.com/kb/2445990/en-us


あれれ?と思って、もう一度、 KB2432513 をよく読んでみます。前提条件のところを見ると...

To apply this hotfix, you must have Microsoft Application Virtualization 4.6 RTM installed. However, this hotfix does not apply to the localized release of Application Virtualization 4.6 (4.6.0.20200). 

これが当てはまるのでしょうか? いえいえ、ゲスト OS 内のバックアップ ツールでフル バックアップする場合、Q ドライブに対するエラー イベントは記録されますが、バックアップ自体は成功しますので、App-V 4.6 SP1 のローカライズ版にも KB2432513 の修正は確かに入っているようです。たぶんそうです。英語版とローカライズ版では、App-V 4.6 SP1 以前はバージョン番号も違います(ローカライズ版も英語をサポートしている点にも注意、英語でもローカライズ版ということ)。

App-V 4.6             ローカライズ版は 4.6.0.20200、英語版は 4.6.0.1523
App-V 4.6+Hotfix (2432513)  ローカライズ版は対象外、英語版 4.6.0.10291
App-V .6 SP1            ローカライズは 4.6.1.20870、英語版は 4.6.1.20870

ということで、この問題は KB2432513 と根っこのところは同じですが、OS 外部からの VSS の場合の問題のように見えます。ローカライズ版(日本語版) では修正されていないということです。ちなみに、英語版でもやってもましたが、仮想マシンは保存されてしまいました。英語版でも修正されていないように見えます。となると、SCVMM 2008 R2 で P2V する場合も、ソース マシンが App-V クライアントの場合、同じ問題が起きるかも知れません。もしかしたら、次のサポート技術情報の原因もこれかもと思いきや、P2V 実行前のシステム情報のスキャンでアクセス拒否エラーの問題ということで、VSS とは別問題。

A System Center Virtual Machine Manager 2008 P2V conversion fails with errors 2910, 458 and 3142
http://support.microsoft.com/kb/2470343/en-us

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