2010/09/09

Office Web Apps の閲覧表示は本当に忠実か?


Office Web Apps のウリは、表示の再現性の高さと言われます (私自身、いくつかの記事で言っちゃってました)。Word Web Apps のヘルプにも「閲覧表示では、Word 文書が忠実に表示され...」と書いてあります。ほんの少し試用した感じでは、本当に忠実に再現できているような印象を受けます。しかし、本物と重ねてみると...

Microsoft Word 2010 で作成した Word ドキュメントを、SkyDrive 上に保存し、Word Web Apps と比較してみました。パッと見ただけで、違いがわかると思います。Word Web Apps の表示は、Windows と Linux の違いや、Web ブラウザーの違いの影響を受けずに、まったく同じように見えます。しかし、オリジナルの Word 2010 と Word Web Apps の表示を比べると、明らかに違います。メイリオ~ MS UI Gothic までの書体は同じように見えますが、その他の日本語書体は Word Web Apps で再現されていません。ちなみに、Windows 上で Word Web Apps の編集画面を開くと、正しい書体で表示されます (おそらく、同じ書体がインストールされている場合のみ)。
表示の違いをより正確に比較するために、Word 2010 の印刷プレビュー (黒) と、Word Web Apps の Web ブラウザー別表示画面 (青、橙、赤)、および Word Web Apps から印刷を実行した際に生成される PDF ファイル (緑) の文字を着色して、重ねてみました。

Word Web Apps 上の表示は、Web ブラウザー環境に関係なく、ピッタリと一致しています。Word 2010 の印刷プレビューとは、余白は一致、行間も一致、メイリオ~ MS UI Gothic までの文字表示が一致しています。下半分の書体は一致しません。印刷用 PDF は、余白も、行間も、書体も一致しないように見えます。
Office Web Apps の高い再現性とは、Microsoft Office 2010 製品や Office ビューア (Word ビューアーなど) のような高いレベルの再現性ではなく、レイアウトが大きく崩れない、ドキュメントの要素が失われないと捉えた方がよいかも。今回は書体に関して比較しましたが、このほか、例えば Excel Web Apps では 3D グラフを 2D グラフとして表示するなどの制約があります。Office ドキュメントは、昔から、印刷向けというよりは、情報共有のための役割が大きいものです。内容が失われずに、正しく読み取れれば、それでいいのかもしれません。他の Office 互換ソフトよりは再現性が高いのは間違いないでしょう。

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