このコンテンツは、今は亡き C○MPUTERW○RLD.JP のブログで過去に公開されていたもののオリジナル原稿です。どこぞからクレームがこない限り、もったいないなぁと思う過去の記事を勝手に再掲載していく予定。どこぞからクレームがついたら、即削除しますが...
C○MPUTERW○RLD.JP Blog > RDP 7.1をRDP 8.0に更新する前に(その2) [2012 年 11 月 5 日]
Enterpriseエディション限定のRemoteFX機能がある
RemoteFXは、Windows Server 2008 R2 SP1とWindows 7 SP1で初めて登場した、主にVDI向けのリモートデスクトップサービスの拡張機能です。VDI環境では、RemoteFX仮想GPU(RemoteFX 3Dビデオアダプター)による3Dグラフィックス表示機能とRemoteFX USBリダイレクトが提供されました。これらの機能を利用するためには、クライアントがRDP 7.1対応である必要があります。Windows 7 SP1のすべてのエディション(EmbeddedやThin PCも含む)は、RDP 7.1対応のリモートデスクトップ接続クライアント(Mstsc.exe)を標準搭載しているので、これらの機能を利用できます。
クライアントは広く対応しているのですが、問題はサーバー(リモートデスクトップ接続のホスト)側の要件です。RemoteFX仮想GPUの仮想デバイスは、リモートデスクトップ(RD)仮想化ホストがインストールされた、Windows Server 2008 R2 SP1 Hyper-V上の仮想マシンで、ゲストOSとしてWindows 7 Enterprise SP1(またはUltimate SP1)を実行している場合に限り、追加できます。また、RemoteFX USBリダイレクトも、RemoteFX仮想GPUを持つ仮想マシンに対する接続でのみサポートされていました。これらの機能はリモートデスクトップサービスの一部として提供されるもので、利用するにはRDS CALが必要になります。
Windows Server 2012 Hyper-VおよびWindows 8においても、この制約はさほど変わっていません。RemoteFX仮想GPUを追加できるのは、RD仮想化ホストであるWindows Server 2012 Hyper-Vの仮想マシンで、以下のいずれかのOSエディションが動作している必要があります。
●Windows 8 Enterprise
●Windows 7 Enterprise SP1(RDP 7.1の環境)
●Windows 7 Ultimate SP1(RDP 7.1の環境)
前回説明したように、Windows 7 Enterprise/Ultimate SP1のRDP 8.0環境で、RemoteFX仮想GPUは利用できません。
<▲左はWindows 8 Enterprise、右はWindows 8 Pro(ただし、画面はRelease Preview)。どちらもRemoteFX仮想GPUありですが、Enterpriseでなければ正しく機能しません>
RemoteFX USBリダイレクトについては、条件が緩和されました。RemoteFX USBリダイレクトは、リモートデスクトップ接続のホスト側が以下のOSエディションを実行している環境で利用できます。
●Windows 8 Enterprise
●Windows Server 2012のRDセッションホスト
●Windows 7 Enterprise SP1(KB2592687でRDP 8.0を有効化した場合)
●Windows 7 Ultimate SP1(KB2592687でRDP 8.0を有効化した場合)
●RemoteFX仮想GPUを持つWindows 7 Enterprise SP1(RDP 7.1の環境)
●RemoteFX仮想GPUを持つWindows 7 Ultimate SP1(RDP 7.1の環境)
RDP 8.0では、RemoteFX USBリダイレクトのために、RemoteFX仮想GPUは要求されません。接続先が対応していれば、仮想と物理に関係なく利用できます。RDP 7.1環境では、引き続き、RemoteFX仮想GPUが要求されます。
<▲RDP 8.0では、接続開始時にデバイスを選択する方法のほかに、セッション中の接続、切断にも対応>
RemoteFX仮想GPUとRemoteFX USBリダイレクトのためのドライバーは、これのOSに標準搭載されているものが使用されます。Hyper-Vの統合サービスや、RDP 8.0が提供するものではありません。そのため、他のエディションで無理に利用しようとしても、ドライバーが無いため成功することはありません。
<▲接続先がWindows 8 Proの場合、USBリダイレクトには非対応なので、「接続情報」アイコンの隣に、「使用するデバイスを選択する」アイコン(コンピューターの形のアイコン)は表示されません>
USBなら何でもリダイレクトできるわけじゃあない
クライアント側とホスト側の両方がRemoteFX USBリダイレクトに対応していたとしても、「ローカルデバイスとリソース」の「その他のサポートされているRemoteFX USBデバイス」の項目や、「使用するデバイスを選択する」アイコンが表示されない場合があります。その理由として考えられることの1つに、RemoteFX USBリダイレクトでリダイレクトできるUSBデバイスが無いことがあります。
RemoteFX USBリダイレクトは、あらゆる種類のUSBデバイスをリダイレクトできるわけではありません。例えば、USBメモリやiPhone、iPadなんかは、RemoteFX USBリダイレクトの対象にはなりません。RemoteFX USBリダイレクトの対象については、以下の情報で確認してください。なお、RemoteFX USBリダイレクトでリダイレクトできなくても、別の方法でリダイレクトできる場合があります(USBメモリはドライブリダイレクトで、プリンターはEasyPrintで、などなど)。
Appendix A: Devices that Support Redirection
[URL] http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff817609(v=ws.10).aspx
Some USB devices are not available via RemoteFX USB redirection
[URL] http://support.microsoft.com/kb/2653326
USBリダイレクトはコンシューマー向けじゃあない
コンピューターの構成\管理用テンプレート\Windowsコンポーネント\リモート デスクトップ サービス\リモート デスクトップ接続のクライアント\RemoteFX USBデバイス リダイレクト\サポートされている他のRemoteFX USBデバイスの、このコンピューターからのRDPリダイレクトを許可する
コンシューマー向けのWindows 7 Home Edition SP1やWindows 8(無印)は、ローカルポリシーやグループポリシーに対応していないため、RemoteFX USBリダイレクトを有効化するためのポリシーを構成することができません。レジストリを直接編集すれば何とかなるかもしれませんが、それは正にコンシューマー向けの方法ではないので、私は試すつもりもございません。
<▲RemoteFX USBリダイレクトを利用するには、クライアント側でポリシー設定と再起動が必要>
「リモートデスクトップ」アプリからのUSBリダイレクトは?
Windows 8向けには、Windowsストア(WinRT)アプリとして、「リモートデスクトップ」アプリが公開されており、Windowsストアから無料でダウンロードできます。このアプリは、当然ながらRDP 8.0対応です。
<▲Windowsストアから無料で入手できる「リモートデスクトップ」アプリ>
「リモートデスクトップ」アプリは、RDP 8.0のほとんどのRemoteFX機能に対応しているようです。ただし、RemoteFX USBリダイレクトに関しては、接続時のUSBデバイスの選択も、セッション中の接続や切断にも対応していないようです。見つけられていないだけかもしれませんが。
<▲「リモートデスクトップ」アプリには、RemoteFX USBリダイレクトの機能が見当たらない>
ご注意: この記事は過去に C○MPUTERW○RLD.JP にて掲載されていたブログの再掲載です。
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