→ Hyper-V サポート対象ゲスト OS リストの更新 (2013/10/10)
Oracle Linux は触ったことがないので、何のことやら?と思っていましたが、実際に Hyper-V 仮想マシンに Oracle Linux Release 6 Update 4 をインストールしてみたらガッテン、ガッテン、ガッテンしました。
Oracle Linux のサイトから「Oracle Linux Release 6 Update 4 for x86_64 (64 Bit) - V37084-01.iso」をダウンロードして、Hyper-V 仮想マシンにインストールしました。起動して確認すると、Hyper-V 関連のコンポーネント (hv_vmbusとか)が見当たりません。
ちょっこし調べてみたところ、Oralce Linux は以前は Red Hat Enterprise Linux (RHEL) と互換性のあるカーネルでしたが、 Oracle Linux 5.5 以降は Unbreakable Enterprise Kernel (UEK) カーネルが既定になったとのこと。Red Hat互換カーネルも引き続きサポートされるそうな。Oracle Linux の uname の出力を見ると el6uek の文字があるので、UEK カーネルが起動しているっぽい。
起動時に GRUB メニューを確認すると、既定のインストールで Red Hat Compatible Kernel とのデュアルブートになっていました。
Red Hat Compatible Kernel を選択して起動すると、めでたく Hyper-V 対応に。既定の起動エントリを修正するには、/boot/grub/menu.list (または /boot/grub/gub.conf または /etc/grub.conf) で default 0 を default 1 に変更。
もう1つ問題を発見。ネットワーク(eth0)が起動していません。この問題?に対処するには...
(1) /usr/sbin/system-config-network を使って eth0 のネットワーク設定を行う。
(2) /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 をエディター (vi とか) で開いて次のように変更。
ONBOOT=no → yes
NM_CONTROLLED=yes → no
(3) /etc/rc.d/init.d/network restart
これで解消。この手順は RHEL 6.4 の場合と同じです。
ところで、Oracle Linux 6.4 (の Red Hat 互換カーネル) は、たぶん RHEL 6.4 互換なので、Linux Integration Services(LIS) v3.4 for Hyper-V 相当の Hyper-V ドライバーがビルトインされているんだと思います。RHEL 5.8 および RHEL 6.3 まではマイクロソフトから LIS v3.4 for Hyper-Vが提供されましたが、RHEL 5.9 および RHEL 6.4 からはLIS v3.4 相当がビルトインされました。動的メモリのコンポーネント (hv_balloon) も入っていてますが、RHEL 6.4 や CentOS 6.4 のものがサポート対象 (→ Hyper-V 動的メモリのサポート対象 OS 更新) に入っていないので、使わないほうが無難でしょう。もしかしたら何気に動くかもしれません。1024 MB割り当てて有効化したら、起動後、最小メモリの 512MBに落ちました。
Oracle Linux 6.4 (の Red Hat 互換カーネル)には、KVP デーモン (hv_kvp_daemon) が入っていませんが、yum で検索したところ、hypervkvpd というパッケージがありました。ネットワーク (eth0) をちゃんと構成したあとなら、yum install hypervkvpd でインストールできます。この手順は RHEL 6.4 の場合と同じです。
hypervkvpd のインストールで、hv_kvp_daemon サービスがランレベル 3, 4, 5 で有効になってました。ので、次回 OS 起動時に自動開始します。手動で開始するには、/etc/init.d/hypervkvpd start
というわけで、"Note: Oracle Linux is only supported when running the Red Hat Compatible Kernel."の意味、ガッテンしていただけたでしょうか?
2013/12/09 追記)
/etc/sysconfig/kernel で DEFAULTKERNEL=kernel-uek を DEFAULTKERNEL=kernel に変更すればいいみたい。
おまけ...
現時点での Linux 統合サービスの機能のサポート状況をまとめると、こんな感じかな?(情報の正確性には責任持ちませぬ)
Distribution
|
LIC
|
LIC v3.4 Features
|
KVP IP Injection
|
Dynamic Memory
|
VSS Backup
|
CentOS 5.7-5.8
|
○
|
×
|
×
|
×
|
|
CentOS 6.0-6.3
|
○
|
×
|
×
|
×
|
|
RHEL 5.7-5.8
|
○
|
×
|
×
|
×
|
|
RHEL 6.0-6.3
|
○
|
×
|
×
|
×
|
|
CentOS 5.9,6.4
|
Built-in
|
○
|
×
|
△(hv_balloonあり)
|
×
|
RHEL 5.9,6.4
|
Built-in
|
○
|
×
|
△(hv_balloonあり)
|
×
|
Oracle Linux 6.4
|
Built-in
|
○
|
×
|
△(hv_balloonあり)
|
×
|
SLES 11 SP2
|
Built-in
|
○
|
○(要 Update)
|
△(hv_balloonあり)
|
×
|
SLES 11 SP3
|
Built-in
|
○
|
○
|
○
|
○
|
openSUSE 12.1
|
Built-in
|
○
|
×
|
△(hv_balloonあり)
|
×
|
openSUSE 13.1
|
Built-in
|
○
|
○
|
○
|
○
|
Ubuntu 12.04,12.10,13.04
|
Built-in
|
○
|
×
|
△(hv_balloonあり)
|
×
|
Ubuntu 13.10
|
Built-in
|
○
|
○
|
○
|
○
|
2013/12/05 追記)
RHEL 6.5
|
Built-in
|
○
|
○
|
○
|
×
|
CentOS 6.5 |
Built-in
|
○
|
○
|
○
|
×
|
Debian 7.2 |
Built-in
|
○
|
×
|
×
|
×
|
2014 年 2 月リリースの Unbreakable Enterprise Kernel Release 3 Quarterly Update 1 で、UEK カーネルも Hyper-V に対応しました。
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