ところで、Server App-V を評価してみたいという方、2011 年 3 月にリリースされた System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) 2012 Beta に Server App-V CTP が同梱されていることをご存じでしょうか。SCVMM 2012 Beta や Windows Azure がからんでくると、複雑になって、なかなかとっつき難いですが、SCVMM 2012 Beta に含まれる Server App-V は単体でも評価できます (動きます)。
Server App-V の Sequencer (シーケンサー) およびクライアント エージェントのインストーラーは、SCVMM 2012 のライブラリ共有 (MSSCVMMLibrary\ApplicationFrameworks) の中にあります。このライブラリ リソースは、C:\Program Files\Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2012\SAV\x64 および x86) から作成されるようです。
アプリケーションのシーケンスの方法と、展開の方法については、C:\Program Files\Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2012\SAV\SAV_CTP_Jan_2011.pdf に説明されています。それほど難しくはありません。App-V for Desktop Client や App-V for RDS の経験があれば、Server App-V のほうが簡単だと分かるでしょう。
というわけで、Apache HTTP Server をシーケンスしてパッケージ化し、まっさらな Windows Server 2008 R2 環境に展開してみました。SCVMM 2012 Beta の環境は、既定のライブラリ共有内のファイルを使用するだけで、他には使用しません。今回は、評価用の VHD イメージを使用しました。
- まず、まっさらな Windows Server 2008 R2 の仮想マシンを準備して、インストール直後の状態でスナップショットを作成しておきます。
- 仮想マシンのゲスト OS にログオンして、\\SCVMMサーバー名\MSSCVMMLibrary\ApplicationFrameworks\SAV_x64_en-US_4.7.11.1127.cr\InstallSAVSequencer.cmd または SeqSetup.exe を実行して、Server App-V シーケンサーをインストールします。ちなみに、日本語環境ではちゃんとローカライズされます。
- Server App-V Sequencer を起動し、「新しい仮想アプリケーション パッケージの作成」をクリックして、ウィザードに従って操作します。この手順は、App-V Sequencer for Desktop Client や for RDS とほぼ同様。App-V 4.6 SP1 と同様に、Q ドライブは勝手に用意してくれているので、Apache HTTP Server の Win32 バイナリーをダウンロードしてインストーラーとして指定し、Q ドライブ上のパスを指定してインストールするだけです。
- インストールが完了したら、監視を終了し、検出されたプログラムの一覧から「Start」をクリックして、Apache HTTP Server のサービスを開始し、Web ブラウザーで「It works!」と表示されるのを確認します。
- ウィザードを進めると、システムに加えられた情報が収集され、パッケージが作成されます。App-V Sequencer for Desktop Client や for RDS とは異なり、展開の構成をいじる必要はありません。パッケージ (.sprj) を適当な共有フォルダーに保存すれば完了です。
- 続いて、スナップショットを適用し、仮想マシンを元の状態に戻します。こんどは、同じ仮想マシンをクライアントとして使用することにします。もう、Sequencer のことは忘れてください。
- 仮想マシンのゲスト OS にログオンして、\\SCVMMサーバー名\MSSCVMMLibrary\ApplicationFrameworks\SAV_x64_en-US_4.7.11.1127.cr\InstallSAV.cmd または AgentSetup.exe を実行して、Server App-V エージェントをインストールします。
- 続いて、\\SCVMMサーバー名\MSSCVMMLibrary\ApplicationFrameworks\SAV_x64_en-US_4.7.11.1127.cr\sav_cmdlets.msi を実行して、Server App-V エージェントの PowerShell 2.0 向けコマンドレットをインストールします。Server App-V のパッケージは、この PowerShell コマンドレットを使用して展開することになります。
- 手順 5 で作成した仮想アプリケーションのパッケージを、フォルダーごと仮想マシンのローカル ディスクにコピーします (共有フォルダー上に配置したままでも大丈夫かも)。
- PowerShell ウィンドウを開き、次のコマンドラインを実行して、仮想アプリケーションを展開します。このように、アプリケーションの登録方法は、App-V Sequencer for Desktop Client や for RDS とはまったく異なります。
PS> Set-ExecutionPolicy Remotesigned
PS> Import-Module Microsoft.ApplicationVirtualization
PS> Add-AppvPackage –Name 仮想アプリケーション名 –Manifest パス\仮想アプリケーション名_manifest.xml –SFT パス\仮想アプリケーション名.sft –Configuration パス\仮想アプリケーション名\deploymentconfig.xml –ComputerName コンピューター名
PS> Start-AppvPackage –Name 仮想アプリケーション名 –ComputerName コンピューター名 - 管理ツールの「サービス」を開くと、Apache のサービスが稼働していることを確認できます。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。