VHD tool
※2015/7/8 追記) VHD tool は提供されなくなったようです。
容量固定タイプの VHD (Virtual Hard Disk) を作成するには、ある程度時間がかかります。VHD に割り当てた領域全体に 0 を書き込むためです。例えば、Windows 7 (または Windows Server 2008 R2) の DISKPART コマンドを使用して、10GB の容量固定 VHD を作成すると、100 秒近くかかります (私の PC 環境の場合)。
DISKPART
DISKPART> CREATE VDISK FILE="D:\WORK\10G_DISKPART.VHD" MAXIMUM=10240 TYPE=FIXED
DISKPART> EXIT
VHD Tool を使用すると、これが一瞬で完了します。10GB の容量固定 VHD を作成するためのコマンドラインは次のような感じ。
VHDTOOL /CREATE "D:\WORK\10G_VHDTOOL.VHD" 10737418240
VHD Tool のコマンドライン ヘルプを見ると、次のような警告があります。
”WARNING - this function is admin only and bypasses file system security. The resulting VHD file will contain data which currently exists on the physical disk.”
どういうことかというと、このツールは 0 を書き込まないため、物理ディスク上のデータ、過去に削除され領域は解放されているけど、実際にはデータが残っている領域が、そのまま VHD 化されるということだと思います。セキュリティの観点から見ると、汚いディスク、情報漏えいリスクのあるディスクといった感じです。ファイルシステム上の既存のデータが VHD に含まれちゃうわけではありません。クリーンな物理ディスク上で利用するのであれば、心配は無用でしょう。
データ復元ツール (ファイナルデータ 無料体験版) を使用して、確認してみましょう。仮想マシンに DISKPART で作成した容量固定 VHD (ディスクの管理のディスク 1、データ復元ツールではハードディスク 2) と、VHD Tool で作成した VHD (ディスクの管理のディスク 2、データ復元ツールではハードディスク 3)を接続して、ボリュームは作成せずに(初期化のみ)、データ復元ツールでセクターとクラスターをスキャンしてみます。
DISKPART で作成した容量固定 VHD から検索されたデータは 0、VHD Tool で作成した VHD からはたくさんのファイルが検出されました。
物理ディスクの場合は、破棄や譲渡のためにデータを復元不能な状態にすることが重要です。VHD の場合は、VHD のファイルのコピーが流出してしまえば、VHD 上の未使用部分にあるかもしれないデータが流出するリスクよりも、VHD ファイルそのものが流出すること自体が重大です。VHD Tool の警告はあまり心配する必要はないかもしれません。VHD を自分の PC で作成して、別の人にあげるという行為が一般的であるとすれば、問題になるとは思いますが。心配な方は、クリーンな物理ディスク上で利用すれば問題ありません。
VHD Tool は以前からあったツールですが、最新の 2.0 では、/Repair オプションが追加されました。スナップショットや復元ディスクの壊れたチェインを修復できる可能性があります。こちらの機能も知っておくと、いざというときに役立ちそうです。
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