9/23 にリリースされた Windows 版の Office 2016 は、現時点でクイック実行 (Click to Run: C2R) 形式しかありません。
Office 2013 は Office 365 ProPlus やパッケージ製品は C2R 形式で、MSDN サブスクリプションおよびボリュームライセンス (VL) 経由でのみ従来(Office 2010 以前) の MSI 形式で提供されました。10/1 から利用可能になるとされる Office 2016 VL は
C2R 形式についてここで詳しく説明しませんが、「インストール時にインストールするアプリケーションを選択できない」「更新プログラムが Microsoft Update ではなく、C2R に組み込みの方法で都度提供され、常に最新版を利用できる」といった点が MSI 版との大きな違い。
実は、Office Deployment Tool を使うと、C2R でも特定のアプリケーションを選択的にインストールできます。上の画面は、MSDN の Office Professional Plus 2016 を通常の方法でインストールしたところ。下の画面は、Office Professional Plus 2016 の Word、Excel、PowerPoint、Outlookk だけをインストールしているところ。
参考:
続・新しい Office の企業内クリック実行展開でインストールアプリの選択が可能に (2014/06/03)
Office 2016 用の Office Deployment Tool はこちらから。
Office 2016 Deployment Tool
[URL] http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=49117
Office 365 ProPlus の場合は、ExcludeApp を記述した configuration.xml を作成して、setup.exe /download configuration.xml、setup.exe /configure configuration.xml を実行することで、C2R インストール ソースのダウンロードと指定したアプリケーションのインストールが可能です。
追記: Office 365 Solo は既にポータルから Office 2016 をインストールできるみたい。まだポータルが Office 2016 に切り替わっていない Office 365 サブスクリプションでも、Office Deployment Tool を使うと Office 2016 をインストールできます。
さらに追記: Office 365 ProPlus の Office 2016 バージョンへの自動アップグレード、およびOffice ポータルでの提供は 2016 年 2 月に開始されるそうです。それ以前に Office 2016 ベースの Office 365 ProPlus にアップグレードまたは新規インストールしたい場合は、Office Deployment Tool を使うそうです。→ Understand how long you can continue to use the Office 2013 version of Office 365 ProPlus (https://technet.microsoft.com/en-us/library/mt422981.aspx)
MSDN サブスクリプションの Office Professional Plus 2016 の場合、ISO ファイルには C2R のインストール ソースが入っています。ですので、setup.exe /download の実行は必要なし。例えば、ISO ファイルの中身を E:\work\office2016 にコピーし、以下のような configuration.xml を作成して、setup.exe /configure configuration.xml を実行すれば、 Office Professional Plus 2016 のアプリケーションを選択的にカスタムインストールできます。
<Configuration>
<Add SourcePath="E:\work\office2016" OfficeClientEdition="32">
<Product ID="ProPlusRetail" >
<Language ID="ja-jp" />
<ExcludeApp ID="Access" />
<!-- <ExcludeApp ID="Excel" />
<ExcludeApp ID="InfoPath" />
<ExcludeApp ID="Lync" />
<ExcludeApp ID="Groove" />
<ExcludeApp ID="OneNote" />
<!-- <ExcludeApp ID="Outlook" />
<!-- <ExcludeApp ID="PowerPoint" />
<ExcludeApp ID="Project" />
<ExcludeApp ID="Publisher" />
<ExcludeApp ID="SharePointDesigner" />
<!-- <ExcludeApp ID="Word" />
</Product>
</Add>
</Configuration>
この例は、Word、Excel、Outlook、PowerPoint だけをインストールします。Lync は Skype for Business、Groove は OneDrive for Business の除外設定です。
参考:
Reference for Click-to-Run configuration.xml file > ExcludeApp Element
[URL] https://technet.microsoft.com/en-us/library/jj219426(v=office.15).aspx#BKMK_ExcludeAppElement
Product ID にProPlusRetail と指定することで Office Professional Plus 2016 としてインストールされます。
参考:
Product IDs that are supported by the Office Deployment Tool for Click-to-Run
[URL] https://support.microsoft.com/en-us/kb/2842297
なお、MSDN の Office Professional Plus 2016 の Product ID が ProPlusRetail で正しいのかどうかは分かりません。想像でやってみたところ、ちゃんと Office Professional Plus 2016 としてインストールされました。
(ProPlusRetail でだめなときは O365ProPlusRetail で後で PID インストールすれば大丈夫だかと)
参考:
管理者が知っておくべきOffice 2016のインストールと更新の変更点(@IT)
[URL] http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1510/01/news022.html
Office2016で質問ですが、右上の欄にMSアカウントのユーザー名が出るのでしょうか?
返信削除Office 365のサブスクリプションライセンス認証ならもちろん出ますが、PID認証の場合も何かしらのMSのクラウドサービスに接続していれば出るのではないかと思います。
返信削除こちらの方法でProPlusRetailは問題なくインストールできました。
返信削除しかし、会社のPCでMAKのキーを用いてVL版でインストールしようと、Product IDにProPlusVolumeと指定しても、エラーとなり、うまくインストールができません。
半日ほどかけてネットを検索しましたが、ボリュームライセンスの場合のProduct IDを見つけることができませんでした。
ちなみに、いったんRetailでインストール後にキーを変更しようとMAKを入力するとエラーとなります。
ライセンスが無効とかではなく、Retailでインストール済みのものにMAKのキーは入れられないようです。
もしVL版のインストール方法をご確認可能であれば、お助けいただけますでしょうか?
この記事は2年前(2015年9月時点)の古い個人的なメモであり、何ら保証するものではありません。"たぶん"と書いてあるのは、その当時の私の想像でしかありません。
返信削除Office 365 ProPlusのサービスには、常に変更が加えられているため、最新情報はご自身でご確認ください。Office Deployment Tool(ODT)も頻繁に新バージョンに更新されています。ちなみに、最新のODTでサポートされるProduct IDに「ProPlusVolume」は存在しないようです。
Product IDs that are supported by the Office Deployment Tool for Click-to-Run
https://support.microsoft.com/en-us/help/2842297/product-ids-that-are-supported-by-the-office-deployment-tool-for-click
Configuration options for the Office 2016 Deployment Tool
https://support.office.com/en-US/article/Configuration-options-for-the-Office-2016-Deployment-Tool-d3879f0d-766c-469c-9440-0a9a2a905ca8