誰も気が付かないかもしれない Windows 7 SP1 RC の修正点: NAP が無効なのに有効の問題 (10/27 の投稿) で、アクションセンターにおける NAP の状態表示が日本語版だけでおかしい件をお伝えしましたが、またそれらしい、いやもっとややこしい、似たような問題に遭遇してしまいました。
Windows Server 2008 R2 のリモート デスクトップ サービスの新機能に「フェアシェア CPU スケジューリング (Fair Share CPU Scheduling)」というものがあります。一人のユーザーが CPU 時間を占有してしまわないように、リソースを動的に配分する機能らしいです。
フェアシェア CPU スケジューリングは既定で有効になっていますが、グループ ポリシーで有効化、無効化を制御できます。日本語環境でのポリシー名は「フェアシェア CPU スケジューリングを有効にする」(コンピューターの構成\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\リモート デスクトップ サービス\リモート デスクトップ セッション ホスト\接続)です。日本語の説明を見てください。どうみても正反対の意味にとれる説明です。
「“フェアシェア CPU スケジューリングを有効にする”を有効にすると、「フェアシェア CPU スケジューリングは無効になります」と誰もが理解しますよね。
さて、英語の Language Pack をインストールし、表示を英語に切り替えてみましょう。ポリシー名は、「Turn Off Fair Share CPU Scheduling」になります。説明とも矛盾しないポリシー名です。 日本語の説明の翻訳は正しいようです。
ところで、こちらのドキュメントを見ますと、次のように記述されています。
Fair Share CPU Scheduling is enabled by default. You can disable this feature by configuring the following registry entry to 0: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\SessionManager\DFSS\EnableDFSS.
グループ ポリシーで「フェアシェア CPU スケジューリングを有効にする (=Turn Off Fair Share CPU Scheduling)」を「有効」にすると、上記レジストリ値の EnableDFSS に 1 がセットされます。ということは、日本語のポリシー名「フェアシェア CPU スケジューリングを有効にする」は正しくて、英語のポリシー名と説明が誤っているようです。
続いて、こちらのドキュメントを見ますと、このグループポリシーが効かないことが既知の問題として記載されていて、回避策が示されています。
Group Policy to disable DFSS is not functional
The Group Policy setting Turn off Fair Share CPU Scheduling under the Computer Configuration\Administrative Templates\Windows Components\Remote Desktop Services\Remote Desktop Session Host\Connections node does not change DFSS behavior.
Cause
This is a known issue.
Resolution
Set EnableCpuQuota to 0 in the following registry location:
HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Quota System.
「Turn off Fair Share CPU」の設定が機能しないのではなく、「Turn off(本当はOn) Fair Share CPU」を「Disable」にすれば、回避策を講じなくても無効化できるんじゃないかという疑問が出てきました。EnableDFSS 値に関係なく、EnableCpuQuota を 0 にしなければ無効化できないのか、それとも EnableDFSS を 0 にして、さらに EnableCpuQuota を 0 にしなければ無効化できないのか、はたまた EnableDFSS を 1 にして、EnableCpuQuota を 0 にするのか、さっぱり分かりません。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。