openSUSE 11.3 のインストール
IDE および SCSI コントローラーに VHD を接続し、標準のネットワーク アダプター (統合タイプ) を割り当てた仮想マシンを作成し、openSUSE 11.3 の ISO イメージを使用して起動します。今回は、32 ビット版の openSUSE-11.3-DVD-i586.iso を使用しました。
インストーラーでは、[F2]キーで日本語を選択し、[F3]キーでお好みの解像度を選択して、インストールを開始します。
インストールで特に悩むところはありません。ただ、いつも指摘するように、「ハードウェアの時刻は UTC に設定」を必ずオフにしておくこと。その理由については、こちらをどうぞ。
インストールはすんなり完了します。
Linux ICs は?
SLES 11 SP1 のように Linux ICs が自動で組み込まれはしませんでした。lsmod | grep vsc を実行しても何も何も表示されません。そのため、Linux ICs が必要な SCSI 接続の VHD と、ネットワーク アダプターは見えていません。
組み込みの VSC をインストールする
lsmod | grep vsc では何も表示されませんでしたが、lsmod | grep hv_ や lsmod | grep vmbus を実行すると、 仮想マシン バス (VMBus) のドライバー hv_vmbus が標準で組み込まれていることがわかります。
その他のドライバーの存在と動作も確認してみましょう。 GPLv2 版の Linux ICs は、openSUSE 11.3 milestone 3 のときと同じく、staging ドライバーとして収録されています。
/lib/modules/2.6.34-desktop/kernel/drivers/staging/hv に、hv_blkvsc.ko hv_netvsc.ko hv_storvsc.ko hv_vmbus.ko が存在します。insmod コマンドでインストールして、動作することを確認します (hv_vmbus はインストール済みなので insmod は不要)。
SLES 11 SP1 を参考に起動時のドライバ ロード設定
以前の投稿では、起動時に Linux ICs をロードさせる方法に悩みましたが、今回は SLES 11 SP1 という良いお手本があります。SLES 11 SP1 では、次の 4 つの設定ファイルで Linux ICs 関連の設定が行われているようです (青字部分)。
[/etc/sysconfig/kernel] (ドライバのロード設定)
INITRD_MODULES="thermal ata_generic piix ide_pci_generic processor fan hv_blkvsc hv_netvsc hv_storvsc hv_vmbus jbd ext3 edd"
MODULE_LOADED_ON_BOOT="hv_storvsc hv_netvsc"
[/etc/modprobe.d/hyperv_pvdrivers.conf] (hv_blkvsc による IDE 高速化)
install ide_core /sbin/modprobe hv_blkvsc 2>&1 ; /sbin/modprobe --ignore-install ide_core
install ata_piix { /sbin/modprobe hv_blkvsc 2>&1 || /sbin/modprobe --ignore-install ata_piix; }
[/etc/fstab] (ファイルシステムのマウント)
/dev/hda1 swap swap defaults 0 0
/dev/hda2 / ext3 acl,user_xattr 1 1
....
[/boot/grub/menu.lst] (GRUB 起動メニュー)
title SUSE Linux Enterprise Server 11 SP1 - 2.6.32.12-0.7
root (hd0,1)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.32.12-0.7-default root=/dev/sda2 resume=/dev/sda1 splash=silent crashkernel=256M-:128M showops vga=0x317
initrd /boot/initrd-2.6.32.12-0.7-default
....
openSUSE 11.3 の場合は、次のように変更しました (赤字部分の追加、変更)。
[/etc/sysconfig/kernel] (ドライバのロード設定)
INITRD_MODULES="thermal ata_piix ata_generic processor fan hv_netvsc hv_storvsc"
MODULE_LOADED_ON_BOOT="hv_storvsc hv_netvsc"
[/etc/fstab] (ファイルシステムのマウント)
....
[/boot/grub/menu.lst] (GRUB 起動メニュー)
title Desktop -- openSUSE 11.3 - 2.6.34-12
root (hd0,1)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.34.12-desktop root=
initrd /boot/initrd-2.6.34-12-desktop
....
なお、hv_vmbus については、既定でインストール済みになったので、/etc/sysconfig/kernel の INITRD_MODULES には記述しませんでした。また、hv_blkvsc については、 openSUSE 11.3 はもともと IDE ドライバー (hda) ではなく SCSI ドライバー (sda) を使用して IDE 接続の VHD にアクセスしているため、SLES 11 SP1 と同じ方法は適さないと考え、組み込んでいません (方法がわからないのも理由ですが...)。
動作確認
openSUSE 11.3 を再起動すると、Virtual Ethernet Card 0 が認識され(YaST2 の [ネットワークの設定]で初期設定が必要です)、SCSI 接続の VHD が /dev/sdb として認識されました ([パーティション設定]によるパーティションの作成とマウントが必要です)。
Windows Virtual PC & openSUSE 11.3
Windows Virtual PC の仮想マシンで openSUSE 11.3 はどうかというと、残念ながら、インストール途中でハングアップしてしまいました。動作確認はできていません。openSUSE 11.2 の状況については、以下の投稿をどうぞ。
Windows Virtual PC & Fedora 12, openSUSE 11.2
http://yamanxworld.blogspot.com/2009/12/windows-virtual-pc-fedora-12-opensuse.html
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