C○MPUTERW○RLD.JP Blog > RDP 7.1をRDP 8.0に更新する前に知っておくべきこと [2012 年 10 月 29 日]
RemoteFXというと、まだまだ仮想GPU(vGPU、RemoteFX 3Dビデオアダプター)と、仮想GPUにもれなく付いてくるUSBデバイスリダイレクト(RemoteFX USBリダイレクト)というイメージが強いと思います。Windows 8およびWindows Server 2012では、RemoteFXはリモートデスクトップサービスが提供するリッチエクスペリエンス機能の総称になりました。仮想GPUはその中の1機能ということです。新機能であるRemoteFXメディアストリーミング、RemoteFX for WAN、RemoteFXアダプティブグラフィクス、RemoteFXマルチタッチは、仮想GPUと関係なく利用できます。これまで仮想GPUに依存していたRemoteFX USBリダイレクトも、仮想GPU非依存に変わります。RemoteFX詳しくは、以下の連載(および次回連載)をご覧ください。
連載 カウントダウン Windows 8&Windows Server 2012 > RemoteFX (その1)
[URL]
Windows 7 SP1はRDP 7.1対応ですが、RDP 8.0の更新プログラム(KB2592687)をインストールすることで、RDP 8.0のサポートが追加されます。これにより、Windows 8およびWindows Server 2012が提供するRemoteFXのほぼフル機能を堪能できるようになります。RDPクライアントとしては、特別な設定はありません。相手がRDP 8.0対応ならRDP 8.0を使用するようになります。
また、RDP 8.0の更新プログラム(KB2592687)をインストールすることで、Windows 7 SP1のリモートデスクトップ接続のホスト
コンピューターの構成\管理用テンプレート\Windowsコンポーネント\リモートデスクトップサービス\リモートデスクトップセッションホスト\リモートセッション環境\リモートデスクトッププロトコル 8.0 を有効にする
RDP 8.0の新機能であるUDP(3389/UDP)対応は、以下のポリシーで構成します。既定(未構成の状態)では、TCP(3389/TCP)のみが使用されます。
コンピューターの構成\管理用テンプレート\Windowsコンポーネント\リモートデスクトップサービス\リモートデスクトップセッションホスト\接続\RDPトランスポートプロトコルの選択
これらのポリシーは、Windows 7 SP1の「%Windir%\PolicyDefinitions\Terminalserver-WinIP.admx」と「%Windir%\PolicyDefinitions\ja-jp\TerminalServer-WinIP.adml」として追加されるので、ドメインのグループポリシーで構成する場合は、これらのファイルをドメインコントローラーの所定のパスにコピーしてください。
ホスト側のWindows 7 SP1でRDP 8.0を有効にすると、そのホストに対する接続でも、こんな感じでRDP 8.0の新機能である接続品質の自動検出や、WANに強いUDPによる通信が可能になります。ただし、RDP 8.0ではAeroグラスはサポートされないという制約があります。
また、仮想GPUが無い仮想デスクトップに対して、RemoteFX USBリダイレクトが利用できるようになります。セッション中の接続、切断も可能です。
現在、Windows 7 Enterprise SP1とWindows Server 2008 R2 SP1でMicrosoft VDI環境を展開し、RemoteFX(仮想GPU)を利用しているという場合は、重要な制約事項があります。今回のRDP 8.0の更新は、仮想GPUのRDP 8.0対応を含みません。Windows 7 Enterprise SP1における仮想GPUは、引き続きRDP 7.1でサポートされます(Windows Server 2012の環境であっても同じ)。この制約は、「リモートデスクトッププロトコル 8.0 を有効にする」にも書いてあります。
ちなみに、仮想GPUを割り当てたWindows 7 Enterprise SP1の仮想デスクトップでRDP 8.0を有効にした場合、RDP 8.0クライアントからはまったく接続できなくなります(RDP 8.0クライアントが、RDP 7.1に切り替えてくれるわけではないようです)。3Dグラフィックス機能のためのRemoteFXを利用している場合は、RDP 8.0への更新はやめておいたほうがいいです。なお、ポリシーでRDP 8.0を無効化(または未構成)すれば、ホスト機能はRDP 7.1に戻るので、RDP 7.1に戻すために更新プログラムのアンインストールは不要です。
Windows Virtual PCでWindows 7 SP1ゲストを利用している場合も注意が必要です。RDP 8.0に更新し、ホスト機能のRDP 8.0を有効にした場合、Windows Virtual PCの統合機能を有効にできなくなりました。この場合も、RDP 8.0を無効化(または未構成)にすることで、元の動作に戻すことができます。
Description of the Remote Desktop Protocol 8.0 update for Windows 7 SP1 and Windows Server 2008 R2 SP1
[URL] http://support.microsoft.com/kb/2592687/en-us
ご注意: この記事は過去に C○MPUTERW○RLD.JP にて掲載されていたブログの再掲載です。
こんにちは。
返信削除「WANに強いUDP」ということは、
ゲートウェイサーバーを通した通信
(ポート番号で言うところの443)
でも本機能は使用可能なのでしょうか。
可能です。LAN/WANでは、可能であれば3389/TCPと3389/UDPの両方を使用。RD Gateway経由の場合はTCPはRDP over HTTPS(443/TCP)で、UDPはRDP over DTLS(3391/UDP)でカプセル化されます。
返信削除ただし、RDP over DTLSに対応しているのはWindows Server 2012およびWindows Server 2012 R2のRDゲートウェイになります。2008 R2以前のゲートウェイはRDP over HTTPSしか中継できません。
御返信有難うございます。
返信削除DTLSというプロトコルがあまり耳慣れないものだったので少し調べてみたのですが、
UDPにもかかわらず安定性やセキュリティ面に優れている、というような情報があり、
良いことづくめのように思えます。
何か欠点などはあるのでしょうか。
インターネット環境によってはUDPを通さない(ファイアウォールでブロックされる)場合があると思います。
返信削除有難うございます。
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