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2013/06/18

CW アーカイブ > 新しいOfficeとApp-V(再び)

このコンテンツは、今は亡き C○MPUTERW○RLD.JP のブログで過去に公開されていたもののオリジナル原稿です。どこぞからクレームがこない限り、もったいないなぁと思う過去の記事を勝手に再掲載していく予 定。どこぞからクレームがついたら、即削除しますが...


C○MPUTERW○RLD.JP Blog > 新しいOfficeとApp-V(再び) [2013 年 4 月 15 日]
2013年2月11日に、一般向けの新しいOffice(事実上のOffice 2013)の発売に関連して、「新しいOffice、企業でどうする、どうなる!?」という投稿をしました。新しいOfficeをApp-Vで展開するにはどうすればよいか、2月27日にサブスクリプション版のOffice 365 ProPlusの提供開始でようやく明らかになりましたので、

http://www.computerworld.jp/blogs/d/206379


新しいOffice(事実上のOffice 2013)

App-Vを利用してアプリケーションを仮想化する場合、App-Vでシーケンスした仮想アプリケーションが正しく動作するかどうか、ライセンスの問題は解決できるかどうかなど、十分な検証と確認が必要です。また、Windowsのコンポーネントへの依存度が高いアプリケーションの仮想化は、特に難しい作業になります。

Office 2010以前は、ボリュームライセンス製品のOfficeをApp-Vでシーケンスして仮想化することができました。

Office 2007以前は、次の手順書(App-V 4.6 SP1とApp-V 5.0向け)を見るとわかるように、App-V環境で正しく動作させるには、非常に面倒な手順が必要です。

Prescriptive guidance for sequencing 2007 Office programs in Microsoft App-V (SoftGrid)
[URL] http://support.microsoft.com/kb/939796/en-us


Office 2010は、一部の市場でクイック実行形式(App-V 4.6ベースのClick-To-Run 1.0)で販売されたり、日本では評価版がクイック実行形式で提供されたりと、App-Vとの親和性が高まりました。しかしながら、App-V Sequencerで単純にシーケンスするだけではうまく動きません。App-V 4.6 SP1の場合は、Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-Vというツールを使用して、シーケンス前と後にいろいろと調整する必要があります。

Prescriptive Guidance for Sequencing Office 2010 in App-V 4.6 SP1
[URL] http://support.microsoft.com/kb/2627274


Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-Vを使用すいると、Office 2010で導入されたKMS(キー管理サービス)によるボリュームライセンス認証をApp-Vで正しく機能させたり、WindowsやSharePointテクノロジとの連携が正しく機能するようにしてくれるものです。専用のツールは提供されましたが、面倒なところはあいかわらずです。そこで、Office 2010のシーケンスを簡素化するためのApp-Vパッケージアクセラレーターというものも提供されました(ただし、英語版)。

App-V Package Accelerator for Microsoft Office Professional Plus 2010 - Windows 7
[URL] http://gallery.technet.microsoft.com/App-V-Package-Accelerator-62415d39


そして、新しいOffice(事実上のOffice 2013)はどうなったのかというと、App-V Sequencerによるシーケンスはサポートされなくなります。

新しいOfficeのパッケージ製品およびサブスクリプション製品は、App-V 5.0ベースのクイック実行(Click-To-Run 2.0)で提供されますが、クイック実行のインストールをApp-V Sequencerでシーケンスすることはできません。また、ボリュームライセンス製品のOffice Standard 2013およびOffice Professional 2013は、クイック実行ではなく、従来と同じMSI形式で提供されますが、これをApp-V Sequencerでシーケンスすることは、サポートされないようです(技術的にできないことはないかもしれませんが)。詳しくは、以下のサポート技術情報をご覧ください。

Supported scenarios for deploying Microsoft Office as a sequenced App-V Package
[URL] http://support.microsoft.com/kb/2772509


新しいOfficeをApp-Vで展開するシナリオとしてサポートされるのは、サブスクリプション製品であるOffice 365 ProPlusのクイック実行形式のインストールソースを、Office Deployment Tool for Click-To-Runツールを使用して、App-V 5.0のパッケージ(.appv)に変換する方法だけになります。

Office Deployment Tool for Click-to-Run
[URL] http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=36778


Office Deployment Tool for Click-to-Runは、Office 365 ProPlusのインストールソースを、クラウドから社内の共有にダウンロードして、社内のクライアントのクイック実行のためのインストールソースとして利用できるようにするものです。そして、Office Deployment Tool for Click-to-Runには、ダウンロードしたインストールソース(.cabなど)をApp-V 5.0のパッケージに変換するオプションも提供します。

インストールソースのダウンロードとApp-Vパッケージへの変換は、それぞれ1行のコマンドライン(setup.exe /download~とsetup.exe /packager~)で実行でき、とても簡単です。Office 2010以前の仮想化とは、まったく比べ物になりません。

(↓クイック実行のインストールソースをApp-Vパッケージに変換したところ)
変換後のApp-VパッケージをApp-V Serverにインポートすれば、アプリケーションの有効化、無効化やユーザーへの割り当てなどをカスタマイズできます。なお、クイック実行ではすべてのアプリケーションが常にインストールされますが、App-Vパッケージに変換すると、アプリケーションごとに有効化できるようになります。これは、一部のアプリケーションだけをユーザーに公開したいという場合に便利です。ただし、無効にしたアプリケーションもクライアントにはキャッシュされるはずなので、ディスク領域の節約にはならないと思います(前回説明したApp-V 5.0のShared Content Storeモードを使用すれば節約できるでしょう)。

(↓App-VパッケージをApp-V Serverにインポートして公開する)
Office 365 ProPlusをApp-Vパッケージに変換した場合、ライセンスはどうなるのかというと、Office 365 ProPlusに関連付けられたMicrosoftアカウントまたは組織(Office 365)のアカウントによるライセンス認証が必要になります。ライセンス認証は、初回起動時に求められます。

(↓クライアントにOffice 365 ProPlusがストリーミング配信され、100%ダウンロード完了する前にアプリケーションが利用可能になります)
ライセンス認証がこの方式だと、ロールバック機能を有効にしたVDI仮想デスクトップで困るという方がいるかもしれませんが、それはサポートされない利用シナリオです。Supported scenarios for deploying Microsoft Office as a sequenced App-V PackageのSupported Deployments of the Office 365 ProPlus(Click-To-Run) .APPV Packageをご覧ください。Office 365 ProPlusのApp-V 5.0による配信は、Desktop(通常の物理コンピューター)、Personal VDI(個人用仮想デスクトップ)でのみサポートsあれます。RDSH(RDセッションホスト)、Pooled VDI(プールされた仮想デスクトップ)、Windows To Go(Windows 8 EnterpriseのWindows To Goワークスペース)への展開はサポートされません。

実は、Office 365 ProPlusのApp-Vによる配信は、非常に簡単なことは確認できたのですが、1点だけはまったポイントがあります。それは、仮想化されたOffice 365 ProPlusをApp-V 5.0 Clientで実行するために、クライアントの構成でEnablePackageScriptsを有効化(既定は無効)する必要があることです。それがわかるまでの苦労話を、私の個人ブログの以下の投稿でお楽しみください。

新しい Office の企業内クイック実行展開と App-V 展開 (に成功)
[URL] http://yamanxworld.blogspot.jp/2013/03/office-365-proplus-click-to-runoffice.html



ご注意: この記事は過去に C○MPUTERW○RLD.JP にて掲載されていたブログの再掲載です。

2013/12/06 追記)
2013年12月から Office Professional Plus 2013 の App-V 展開もサポートされ、プールされた仮想デスクトップや RD セッション ホスト、Windows To Go にも展開できるようになりました。
新しい Office と App-V 5.0 SP2 (Office Professional Plus 2013 対応に)

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