Windows Server 2012の新機能である「記憶域プール」(ストレージスペース)は、複数の物理ディスクをプールにして、そこから論理的なディスク(仮想ディスク)を切り出すことができる機能です。仮想ディスクはシンプロビジョニング(最小限)に対応しており、プールの実際の容量を超えたサイズのディスクを作成することができます。その際、注意しなければならないのが、プールのディスクリソースが枯渇しないように、余裕を持って物理ディスクを追加することです。「サーバーマネージャー」の「ファイルサービスと記憶域プール」を開くと、プールのリソースの使用状況が「割り当て済みの割合」というグラフで表示されます。問題が無ければ緑ですが、85%を超えると黄色、95%を超えると赤に変化します。こうなったら早めに物理ディスクをプールに追加してあがないといけません。これ以上割り当てられないほどの書き込み要求が来ると、仮想ディスクが強制的にオフラインにされます。
さて、この動作というかアラートのしきい値には前々から疑問を抱いていました。記憶域プールの設定を行う Set-StoragePool コマンドレット (→ TechNet ライブラリ > Set-StoragePool) には -ThinProvisioningAlertThresholds というパラメーターがあり、この既定値は70%なんです。この値は、プールのプロパティの「詳細」で確認することもできます。
「サーバーマネージャー」のグラフ表示は85%と95%で切り替わります。では、この70%というしきい値な何なんでしょうか?という疑問がでてきます。
いろいろ試してみて、ようやくわかりました。70%を超えると、「アクションセンター」の「メンテナンス」にアラートが出てくるみたいなのです。
割り当て済みの割合が70%になる前後で確認すると、アラートが消えたり、出てきたりします(70.3%ではアラートが出ないので、小数点以下には反応しないようです)。
確証を得るため、次のコマンドレットを実行して、しきい値を50%に変更してみました。
Set-StoragePool -FriendlyName "プール名" -ThinProvisioningAlertThresholds 50
案の定、50%で「アクションセンター」にアラートが上がってきました。
「アクションセンター」にアラートが出ている状態で、しきい値を70%に戻してみると、アラートがすぐに消えます。
なお、Set-StoragePool コマンドレットによるしきい値の変更は、すぐに動作に反映されますが、「サーバーマネージャー」のプールのプロパティにはすぐに反映されません。サーバーを再起動すると、変更した値が表示されました。また、ThinProvisioningAlertThresholds の値を変更しても、グラフ表示の85%、95%のしきい値には影響しませんでした。
「アクションセンター」にアラートが出て、指示に従って「サーバーマネージャー」を開いても、85%まではグラフは緑なので何が問題なのか分かず??でしょうね。ちゃんと“70%超えたよ”みたいなメッセージで伝えてくれるとありがたいのですが。イベントログには、70%、85%、95%のところで特に何かしらのログが記録されることはないようです(見つけられないだけかも)。
そして、これ以上、プールから割り当てできないくらいにファイルが書き込まれようとすると、仮想ディスクが突然にオフラインになります(手動でオンラインにできます)。このときは、システムログにソース「disk」、イベントID「150」「153」が記録されます。突然のオフラインを避けるため、プールのリソースの使用量にはご注意ください。
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