Misc.

2012/11/30

Windows Server 2012 テクノロジ入門 > RDP のリモート制御は削除されました (影響大かも)

拙著「Windows Server 2012 テクノロジ入門」には記述しませんでしたが、Windows Server 2012 では、リモート デスクトップ サービス (RDS) の「リモート制御」(シャドウセッション)機能が削除されました。

VDI/RDS 環境でヘルプデスクやトラブルシューティングに活用していた方にとっては、この機能削除の影響は大きいと思います。そこで、System Center 2012 SP1 Configuration Manager の Remote Tools による代替策を紹介。


 「リモート制御」は、アクティブな RDP ユーザー セッションに別の RDP セッションを接続して、同時に表示する機能で、Windows 2000 Server のターミナル サービス時代から長くサポートされてきた機能です。ヘルプデスクやトラブルシューティングに利用していた方も多いでしょう。


Windows Server 2012 の統合された RDS のコンソールは、次のとおり。アクティブ セッションに対しては、切断、ログオフ、メッセージの送信しかできません。


シャドウ セッションに接続するためのコマンドライン ユーティリティ Shadow.exe も、Windows Server 2012 や Windows 8 には存在しません。


以下のブログ投稿によると、RDP (RDP 8.0) のグラフィックス アーキテクチャ全般を改善した関係で、シャドウ セッション機能を削除せざるを得なかったようです。

参考情報:
Server & Tools Blogs > News & Comments Blogs > Customer Reviews of STB products
[URL] http://blogs.msdn.com/b/customer_reviews_of_stb_products/archive/2012/09/05/managing-rds-vdi-with-windows-server-2012.aspx
"The Remote Control (shadowing) feature has been removed from Windows Server 2012. "

Windows 7 SP1 向けの RDP 8.0 更新 (KB2592687) で、リモートデスクトップ接続のホストで RDP 8.0 を有効にした場合も、Shadow.exe コマンドは利用できなくなるので注意してください。なお、Windows Server 2008 R2 SP1 の RDS の RDP 8.0 更新は提供されていませんので (RDP クライアントの更新のみ)、影響しません。

Description of the Remote Desktop Protocol 8.0 update for Windows 7 SP1 and Windows Server 2008 R2 SP1
[URL] http://support.microsoft.com/kb/2592687
"Monitoring an active session of another user remotely by using the Shadow command (Remote Control)"


残念ながら、Windows Server 2012 や Windows 8 の標準機能で代替手段というと、リモートアシスタンスくらいです。VNC など、フリーのリモート コントロール ツールを使うという方法もあります (VNC はコンソール接続なので代替にはならず)。

あとは、System Center 2012 Configuration Manager のリモート ツール (Remote Tools) のリモート コントロール (Remote Control) 機能を使うとか。(※注意: Configuration Manager の Windows Server 2012 および Windows 8 対応は、2013 年初頭リリース予定の System Center 2012 SP1 から)。

しかし、リモート コントロール (Remote Control) は、 コンソール (セッション 1) への接続なので、シャドウ セッションの代替にはなりませんでした。


リモート ツールにはリモート アシスタンスも統合されています。こちらは代替手段になりそうです。通常のリモート アシスタンスは招待ファイルのやり取りなど手続きが面倒ですが、Configuration Manager のコンソールからはリモート アシスタンスの構成や、招待なしでのリモート アシスタンス(要請されていないリモート アシスタンス: Unsolicited Remote Assistance) の開始ができるようです。

 (↑ System Center 2012 SP1 Beta Configuration Manager のため英語です)

Windows Server 2012 に Configuration  Manager のエージェントとリモート アシスタンスをインストール (DISM /Online /Enable-Feature /FeatureName: RemoteAssistance) して、試してみました。なお、Configuration Manager のコンソールを実行する側が Windows Server 2012 の場合は、コンソール側にもリモート アシスタンスのインストールが必要です。

Configuration Manager のコンソールから対象のサーバーにリモート アシスタンスを開始します。すると、アクティブなコンソールおよび RDP セッションから接続先を選択できます。


左が接続されている RDP セッション。右が Configuration Manager のコンソール側です。


これなら、シャドウ セッションの代替に使えそうですね。

今回、リモート アシスタンスをひさびさに使ってみました。Configuration Manager から使ってみたのははじめて。RDP のリモート制御 (シャドウ セッション) 機能の削除って、使っていた人にとっては結構影響が大きいかも。


1 件のコメント:

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。