VDI/RDS 環境でヘルプデスクやトラブルシューティングに活用していた方にとっては、この機能削除の影響は大きいと思います。そこで、System Center 2012 SP1 Configuration Manager の Remote Tools による代替策を紹介。
「リモート制御」は、アクティブな RDP ユーザー セッションに別の RDP セッションを接続して、同時に表示する機能で、Windows 2000 Server のターミナル サービス時代から長くサポートされてきた機能です。ヘルプデスクやトラブルシューティングに利用していた方も多いでしょう。
Windows Server 2012 の統合された RDS のコンソールは、次のとおり。アクティブ セッションに対しては、切断、ログオフ、メッセージの送信しかできません。
シャドウ セッションに接続するためのコマンドライン ユーティリティ Shadow.exe も、Windows Server 2012 や Windows 8 には存在しません。
以下のブログ投稿によると、RDP (RDP 8.0) のグラフィックス アーキテクチャ全般を改善した関係で、シャドウ セッション機能を削除せざるを得なかったようです。
参考情報:
Server & Tools Blogs > News & Comments Blogs > Customer Reviews of STB products
[URL] http://blogs.msdn.com/b/customer_reviews_of_stb_products/archive/2012/09/05/managing-rds-vdi-with-windows-server-2012.aspx
"The Remote Control (shadowing) feature has been removed from Windows Server 2012. "
Windows 7 SP1 向けの RDP 8.0 更新 (KB2592687) で、リモートデスクトップ接続のホストで RDP 8.0 を有効にした場合も、Shadow.exe コマンドは利用できなくなるので注意してください。なお、Windows Server 2008 R2 SP1 の RDS の RDP 8.0 更新は提供されていませんので (RDP クライアントの更新のみ)、影響しません。
Description of the Remote Desktop Protocol 8.0 update for Windows 7 SP1 and Windows Server 2008 R2 SP1
[URL] http://support.microsoft.com/kb/2592687
"Monitoring an active session of another user remotely by using the Shadow command (Remote Control)"
残念ながら、Windows Server 2012 や Windows 8 の標準機能で代替手段というと、リモートアシスタンスくらいです。
あとは、System Center 2012 Configuration Manager のリモート ツール (Remote Tools) のリモート コントロール (Remote Control) 機能を使うとか。(※注意: Configuration Manager の Windows Server 2012 および Windows 8 対応は、2013 年初頭リリース予定の System Center 2012 SP1 から)。
しかし、リモート コントロール (Remote Control) は、 コンソール (セッション 1) への接続なので、シャドウ セッションの代替にはなりませんでした。
リモート ツールにはリモート アシスタンスも統合されています。こちらは代替手段になりそうです。通常のリモート アシスタンスは招待ファイルのやり取りなど手続きが面倒ですが、Configuration Manager のコンソールからはリモート アシスタンスの構成や、招待なしでのリモート アシスタンス(要請されていないリモート アシスタンス: Unsolicited Remote Assistance) の開始ができるようです。
(↑ System Center 2012 SP1 Beta Configuration Manager のため英語です)
Windows Server 2012 に Configuration Manager のエージェントとリモート アシスタンスをインストール (DISM /Online /Enable-Feature /FeatureName: RemoteAssistance) して、試してみました。なお、Configuration Manager のコンソールを実行する側が Windows Server 2012 の場合は、コンソール側にもリモート アシスタンスのインストールが必要です。
Configuration Manager のコンソールから対象のサーバーにリモート アシスタンスを開始します。すると、アクティブなコンソールおよび RDP セッションから接続先を選択できます。
左が接続されている RDP セッション。右が Configuration Manager のコンソール側です。
これなら、シャドウ セッションの代替に使えそうですね。
今回、リモート アシスタンスをひさびさに使ってみました。Configuration Manager から使ってみたのははじめて。RDP のリモート制御 (シャドウ セッション) 機能の削除って、使っていた人にとっては結構影響が大きいかも。
シャドウ機能は復活します。
返信削除Windows Server 2012 R2 Preview>帰ってきたシャドウ