先日の Microsoft MVP さんが集まるクローズ ド イベントでちょっと話題になりました、Hyper-V レプリカの[フェールオーバーの TCP/IP] の要件をまとめておきます。「Windows Server 2012 テクノロジ入門」では「サポート対象の Windows ゲストでのみ機能します」「最新の統合サービスがインストールされた Windows ゲストでサポートされます」 (いずれも P372) と簡単に書いていますが、具体的に書くとこうなります。
1. 対象の仮想マシンが Windows Server 2012 Hyper-V でサポートされている Windows ゲストを実行していること。
つまり、Linux ゲストでは利用できません。サポートされている Windows ゲストは具体的には、以下のバージョンです (細かいエディションや SBS などの派生製品は省略しています)。
Windows Server 2012
Windows Server 2008 R2
Windows Server 2008
Windows Server 2003 R2 (SP2)
Windows Server 2003 (SP2)
Windows 8Windows 7 (SP1)
Windows Vista (SP2)
Windows XP (x86 SP3、x64 SP2)
この情報が公開情報になかなか見つかりませんが、Understand and Troubleshoot Hyper-V Replica in Windows Server "8" Beta に、同様のことが (2012 と 8 は Beta ですが) 書いてあります。
2. Windows Server 2012 の Hyper-V が提供する最新の統合サービスがインストールされていること。
IP アドレスの書き換えには、統合サービスのデータ交換 (KVP: Key Value Pair Exchange) サービスが使用されます。そのため、最新の統合サービスが必要です。 ちなみに、さらに細かく言うと、Hyper-V WMI Provider V2 (root\virtualization\v2) の Msvm_VirtualSystemManagementService クラスにある SetGuestNetworkAdapterConfiguration メソッドを使っています (本書にも書きましたが)。
3. 仮想マシンの構成で統合サービスの[データ交換]が有効になっていること (既定で有効)。
上と同じ理由です。
4. 対象が統合タイプのネットワーク アダプターであること。
上と同じ理由です。統合サービスを使用しない、レガシネットワークアダプターでは IP アドレスの書き換えはできません。
まあ、この機能が使えなくても (Linux など)、DHCP やその他の手段がありますので...
関連する投稿:
Windows Server 2012 RC > Hyper-V レプリカも KVP を使ってた (2012/06/01)
Hyper-V Replica の Failover TCP/IP と Test Failover (2012/04/09)
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