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2012/05/10

System Center 2012 RTM > VMM で 2 層アプリをサービス展開 (その1)

System Center 2012 Virtual Machine Manager RTM 版のサービス展開機能について、Server App-V による仮想アプリケーション (こちら)、Web Deploy による Web アプリケーション (こちら) の展開方法について個別に試してきましたが、そろそろ多層アプリのサービス展開を試してみようと思います。

データ層の展開 (SQL Server のインストールとデータ層アプリケーションの展開) について、RTM での状況をまだ説明していませんので、今回はその準備段階まで...

Virtual Machine Manager によるデータ層の展開機能について、Beta および RC でのレポートはこちら。RTM でもあまり変更はないと思いますが、仮想マシン イメージの準備で 1 点、注意点があります。

VMM2012BETA > SQL Server > SQL Server 2008 R2 の Sysprep (2011/07/26)
VMM2012BETA > SQL Server > DAC (.dacpac) てなんだ!? (2011/07/28)
VMM2012BETA > SQL Server > VMM2012 でデータベース サーバーをデプロイ (2011/07/31)


Virtual Machine Manager でデータ層を展開するには、SQL Server 2008 R2 のイメージを準備した Sysprep 済みの VHD イメージをライブラリに用意しておく必要があります。今回は、SQL Server 2008 R2 SP1Slipstream イメージを使用して、Windows Server 2008 R2 Enterprise SP1 の仮想マシンに SQL Server のバイナリを準備し、Windows の Sysprep を実行して汎用化しました。

SQL Server の Sysprep 対応について詳しくは、こちらをご覧ください。

MSDN ライブラリ > SysPrep を使用した SQL Server のインストールに関する注意点

SQL Server 2008 R2 SP1Slipstream イメージの準備方法については、COMPUTERWORLD さんの「Windows お悩み総蚕室 第35回 SQL ServerインストールTips 3選」でも紹介した、以下のブログ記事を参考に。

MSDN Blogs > SQL Server Setup > How to slipstream SQL Server 2008 R2 and a SQL Server 2008 R2 Service Pack 1(SP1)

手順の概要を以下に控えておきます。

SQL Server 2008 R2 (SP1 Slipstream イメージですが) のセットアップを開始し、「詳細設定」の「SQL Server のスタンドアロン インスタンスのイメージの準備」をクリックします。


インストールする機能を選択します。機能が限定されていることに注意。例えば、管理ツール (SQL Server Management Studio) はこの方法ではインストールされません。


「インスタンス ID」は重要。Virtual Machine Manager で指定することになるので、覚えておいてください。


イメージの準備操作が完了。この時点では、バイナリ(の一部)が組み込まれただけで、SQL Server のインスタンスはまだインストールされていません。説明にあるように、Sysprep で OS 展開したものに対して、「イメージの完了」操作を実行すると、SQL Server のインストールが本当に完了します。その「イメージの完了」操作の部分を、Virtual Machine Manager の「SQL Server の構成」が行ってくれます。


「インストールの完了」操作を実行する際には、「イメージの準備」に使用したインストールソースと同じものにアクセスできる必要があります。私の場合は、仮想マシンイメージの中の「C:\SQLInstall」にコピーしておきました。Windows の Sysprep を実行する前に、仮想マシン内でコピーしてもいいですし、Sysprep 後に VHD をローカルにマウントして、コピーしてから、VHD を切断するのでもいいです。VHD にインストール ソースを含めると、サイズが大きくなってしまうのが難点ですが...


SQL Server の「イメージの準備」が完了したら、Windows の Sysprep を実行して汎用化できるんですが、その前に、「SQL Server 2008 R2 データ層アプリケーション フレームワーク」の更新バージョンをインストールしておきます。この手順を済ませておかないと、サービス展開時に次のようなエラーに遭遇することになります。


「SQL Server 2008 R2 データ層アプリケーション フレームワーク」は、次のバージョンで大丈夫なようです。

Microsoft SQL Server 2008 R2 データ層アプリケーション フレームワーク v1.1 Feature Pack


ついでに、「イメージの完了」操作では、SQL Server の管理ツールがインストールされないので、管理ツールが必要あれば、Windows の Sysprep 前に通常のセットアップ方法でインストールしておきましょう。この作業はオプション(省略可)です。


仮想マシンのイメージが完成したら、Windows の Sysprep を実行してシャットダウンし(%Windir%\System32\Sysprep\Sysprep /oobe /generalize /shutdown)、出来上がった VHD を Virtual Machine Manager のライブラリに放り込んでおきます。Sysprep を実行する際には、%Windir%\Panther\Unattend.xml が存在しないこと、Sysprep の検索パス内に Unattend.xml が存在しないことを確認してください (その理由は → Sysprep の繰り返しにご注意)。


つづく →

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