2012/04/09

Hyper-V Replica の Failover TCP/IP と Test Failover

Windows Server "8" Beta の Hyper-V はいろいろと新機能が追加されていますが、GUI  からだと気が付き難いことも。その 1 つに、Hyper-V Replica で利用できる Failover TCP/IP という機能があります。


Hyper-V の仮想マシンでレプリケーションを有効化 (Hyper-V Replica) すると、仮想マシンのスナップショットをリモートの Hyper-V ホストにレプリケーションでき、ディザスタ リカバリなどが可能になります。



レプリケーションを有効化したとき、「レプリケーションが正常に有効になりました」と表示され、そのダイアログボックスに「Settings...」ボタンが提供されます。このボタンをクリックすると、レプリケーション先の Hyper-V ホストに作成された仮想マシン (レプリカ) の設定画面の仮想ネットワークの設定が開きます。これが、レプリカ先での仮想スイッチの指定であることは、容易に想像できます。



「ネットワーク アダプター」ノードの先頭を見ると「+」ボタンになっています。これを展開すると、「Failover TCP/IP」と「Test Failover」という新しい項目が出てきます。



「Failover TCP/IP」では、プライマリからレプリカに仮想マシンをフェールオーバーしたときに、リモートの Hyper-V ホストが接続されているネットワーク セグメントに合わせて IPv4 や IPv6 のアドレス設定を上書きできるというもの。どういう仕組かよくわかりませんが、ちゃんと機能しました。

仮想マシンに静的な IP アドレスを割り当てていて、レプリカを別の IP サブネットに配置する場合に、使えそうです。クライアントからのアクセスは、DNS の動的更新で解決できるでしょう (Hyper-V レプリカのフェールオーバーは、レプリカ側での仮想マシンの起動なので、DNS 更新が発生します)。なお、 「Failover TCP/IP」による IP アドレス設定は Mandatory (強制) みたいです。元の Hyper-V ホストに戻すことがある場合は、元の仮想マシンでも「Failover TCP/IP」の設定が必要です。

「Test Failover」は、レプリカ側のネットワーク アダプター設定にだけある項目です。これは、レプリカ側で実行できる「テスト フェールオーバー」機能のための設定です。レプリカ側では、フェールオーバーすることなしに、レプリカの仮想マシンを開始することはできません (排他制御が効くので)。テスト フェールオーバーとは、仮想マシンのレプリカではなく、レプリカを元に別の仮想マシンを作成して、同期された仮想マシンが起動可能かどうかをテストする機能です。

 

テスト フェールオーバーで作成される仮想マシンに割り当てる仮想スイッチを設定することができます。本番環境とは別の仮想スイッチを割り当て、隔離しながらネットワークのテストまで行いたいときに使用するんじゃないでしょうか。

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