2011/01/27

App-V にあっぷっぷ: Adobe Reader X のシーケンス

App-V にあっぷっぷ: Dynamic Suite Composition の投稿で、App-V で仮想化した Adobe Reader X が登場しましたが、今回は Adobe Reader X のシーケンス手順について。


App-V Sequencer で Adobe Reader X のシーケンス処理を実行する場合は、Adobe のサイトからダウンロードして実行するWeb インストーラーではなく、企業向け配布用のスタンドアロン インストーラーを使用する必要があります。シーケンス処理では、Q: ドライブ直下のフォルダーにインストール先を変更する必要がありますが、Web インストーラーだと変更するオプションが提供されません。スタンドアロン インストーラーならインストール先を変更できます。

Adobe Reader のいろんなバージョンのスタンドアロン インストーラーを入手できる FTP サイトをご存じの方もいると思いますが、企業内に展開するためには、以下のサイトでAdobe Reader配布許諾契約の申請手続きを行う必要があります。Adobe Reader配布許諾契約を結ばないかぎり、企業内クライアントへの展開 (App-V で仮想化した Adobe Reader X を配布する行為) は許可されません。手続きが完了すると、インストーラーのダウンロード リンクが電子メールで通知されます。

Adobe Readerの配布
http://www.adobe.com/jp/products/reader/distribution.html


Adobe Reader X のインストール プロセスの監視を終了して、「シーケンス ウィザード: 手順 5/6 - アプリケーションの起動」のところで、Adobe Reader X を起動すると、「Adobe Reader Protected Mode」のダイアログボックスが表示され、保護モードを無効にする選択肢が提供されます。ここでは、「Always open with Protected Mode disabled」を選択します。App-V の仮想環境では、Adobe Reader X の新しいセキュリティ機能である保護モードは利用できません。保護モードの機能および
サポートされない構成については、以下で説明されています。App-V は含まれませんが、App-V でも NG なのは想像できるでしょう。

保護モードのトラブルシューティング(Windows 版 Adobe Reader X)
http://kb2.adobe.com/jp/cps/880/cpsid_88069.html


ちなみに、「Open with Protected Mode disabled」を選択した場合は、一時的に無効にして起動され、その状態がパッケージに保存されるため、App-V クライアントに展開した際に、右のダイアログボックスが表示されます。


Adobe Reader X を App-V で配布する場合の制約はまだあります。Internet Explorer との連携です。Internet Explorer で PDF ファイルをダウンロードすれば、ファイルの種類 .pdf に仮想化された Adobe Reader X が関連付けられるため、Internet Explorer の外部で Adobe Reader X により PDF を表示できます。しかし、仮想化された Adobe Reader X のプラグインを Internet Explorer から利用することができないため (Internet Explorer は仮想化された Adobe Reader X の存在がわからないので)、Intenet Explorer 内での PDF の表示や、PDF 埋め込みページを表示できません。

Adobe Reader X のシーケンスの際に、「シーケンス ウィザード: 手順 4/6 - アプリケーションの構成」のところで、Internet Explorer のショートカットを追加することにより、Adobe Reader X のプラグインを Internet Explorer に提供することは可能です。右の画面の上の Internet Explorer はローカルのショートカットから起動したもの、下の画面は App-V で Adobe Reader X のパッケージの一部として提供されるショートカットから起動したものです。ユーザーが使い分ける必要があり、現実的ではありません。

せっかくのセキュリティ機能(保護モード) が利用できない、Internet Explorer との連携の使い勝手が悪いということで、Adobe Reader X は仮想化せずに、クライアントのローカルにインストールした方がよいかもしれません。App-V にあっぷっぷ: Dynamic Suite Composition のように、Web ブラウザーも仮想化できれば Dynamic Suite Composition (DSC) で連携させることはできますが、Internet Explorer は App-V で仮想化できません。残念。

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